使わなくなってしまったダイヤモンドジュエリーを売りたい、下取りに出したい…そんな時はどうしたらいいのでしょう?初めてジュエリーを売りに出すときは、わからないことばかりで心配が尽きませんね。「どこに売りに出したらいいの?」「真っ当な値段で買い取ってもらえるの?」「相場は?」「高値で売るコツは?」などということについて、調べてみました。
どんなお店があるの?お店以外の方法は?
質屋、買取専門店、リサイクルショップに売る、ネットオークションに出品するなどの方法があります。質屋、買取専門店、リサイクルショップは、ものを売買するという点では同じです。それぞれ次のような特徴があります。
・質屋
質屋の大きな特徴は「質預かり」をするということです。質預かりとは、「お客さんの品物を預かり、その価値の範囲内で融資をする」ということです。期限は3か月などという決まりがあり、お客さんから預かった品物を倉庫で管理し、お金を渡します。期限までに元金と質料を支払えば、品物は戻ってきます。品物はいらないという場合は、支払い義務はありません。
・買取専門店
近年、金やプラチナの相場の上昇により、そこに目を付けて商売をするようになった買取専門店が急増しました。一時はかなり悪質な売買方法をとっている買取専門店もあったようですが、行政からの規制もあり、そういったお店は少なくなりました。現在は、安心して利用できるお店がほとんどです。
・リサイクルショップ
質屋や買取専門店が高額商品を取り扱うのに対して、リサイクルショップは主に、低価格の商品を扱う傾向にあります。専門性より取扱品目の多さを強みにしているので、買い取り額は低めですが「これは買い取れません」と断られることは少ないようです。
・ネットオークション
いまや売っていないものはないぐらいのネットオークションですが、もちろんダイヤモンドジュエリーも出品することができます。自分で値段が決められるというメリットはありますが、中古品ではっきりした相場がないので、希望する価格で売れるかどうかはわかりません。画像だけでの取り引きになるので、鑑定書は必要不可欠です。
鑑定書はあったほうがいい?
質屋やリサイクルショップでは鑑定書は参考にしますが、なくても品物を見て見積もりを出せるので売値には影響しないようです。ただ、ないよりはあったほうが確実に高値がつきます。なければ売れないということはありません。
本物の宝石かどうかわからない場合は?
本物の宝石であるかどうかは、素人にはわかりにくいものです。プロが見ればわかるので、お店に持って行ってみましょう。お店によっては「これでは値段が付かない」と言われることもあるかもしれないので、いくつかのお店で見積もりを出した方がいいでしょう。
相場は?
ダイヤモンドの場合、4C(カラー、クラリティ、カット、カラット)で階級付けをするのですが、その価格はお店によってまちまちです。お店のホームページに「買取価格表」を載せていることも多いので、参考にしましょう。
査定のチェック項目は?
査定の時には、次のことをチェックしています。
① ブランド品かどうか
ブランドジュエリーか、ノンブランドジュエリーかを大別します。ブランドジュエリーの方が、ノンブランドジュエリーより高値が付きます。同じダイヤモンドなのに、どうしてブランド品が高値で売れるのかというと、デザインなどにコストをかけることで付加価値を付けているからです。
② ダイヤモンドの品質、4C(カラー、クラリティ、カット、カラット)
4Cのうち、いちばん影響力を与えるのはカラット(重さ)です。それに、ほかの項目も合わせて「輝きが良い」と判定されたダイヤモンドが、高値が付きます。
③ 品物の状態(デザイン、イニシャルの刻印、サイズ)
イニシャルの刻印は、消して磨き直して売ることもできるので、あっても大丈夫です。指輪の場合、サイズが大きすぎる・小さすぎると買い取りをしないというお店もあるかもしれません。石を外して地金は溶かして再利用するもできるので、サイズやデザインは関係なく買い取りをするというお店もあります。
ダイヤモンドジュエリーを高値で売るコツは?
少しでも高値で買い取ってもらうには、どういうことに気を付けたらいいでしょうか。
① 鑑定書は、確実にあった方が良い
② 箱などの付属品があれば持ち込む
③ 汚れはきれいに磨いて持ち込む
④ 一点より、複数点持ち込んだ方が査定額がアップする
買い取りと下取りの違いは?
ここまで「買い取り」についてご紹介してきましたが、「下取り」とはどういう違いがあるのでしょうか?「下取り」とは、新しいジュエリーを購入すると同時に、古いジュエリーを売りに出すということです。古いジュエリーと引き換えに新しいジュエリーを購入したい場合は、下取りをしてくれる宝石店を探しましょう。購入と売却が同時にできるというメリットがあります。新しいジュエリーを購入するつもりがない場合は、不向きかもしれません。
お店によって違う買い取り額
ダイヤモンドを売りに出す際、お店によって買い取り額にバラつきがあることは事実です。売り手としては、この点がいちばん気がかりなのではないでしょうか。
2015年6月26日付日経新聞によりますと、1カラットのダイヤモンドを東京都内と近郊の20店舗のお店に査定に出したところ、最低額が15,000円、最高額が35万円という結果でした。この時、ダイヤモンドの鑑定書は見せずに査定に出しましたが、各店舗とも鑑定結果にはさほどばらつきがなかったようです。では、どんな要因が価格の差を生んだのでしょうか?
まず、高値を出した店舗では査定の時間が長く、1時間ほどかかりました。安値を提示した店舗では短い傾向にあり、15分ほどでした。もうひとつわかったことは、「買い取った後に有力な転売先があるか」という点で、査定額に大きな差が出るということでした。買い取り業者に持ち込まれた商品は、そのまま店頭に並ぶのではなく、買い取られた後に業者間で売買があるのだそうです。相対取引もあれば、オークションに出品されることもあり、査定に自信がない業者は、安値を付けざるを得ないのです。確実な転売先がある場合は、強気に高値を付けてきます。
店頭で提示された査定額が、高いのか低いのか判断することは、素人には非常に難しいです。この調査のように、店舗によって数十万円の差が出ることがあります。
安値で買いたたかれないために…
一般消費者にできることは、二つあります。まず、いくつものお店を回って査定額を比較すること。もうひとつは、あまり知られていないことですが、プロの業者間のオークションを見てみることです。オークション会社は、一般消費者にも窓口を開いています。
そして、売りに行くときの心構えとしては、買い取り額に期待しすぎないことです。「買い取り額にがっかりしないためにも、大切な思い出のジュエリーは、家族の中で後世に引き継ぐのもひとつの選択肢かもしれない」というのは、大手宝石会社の元常務の談です。
ダイヤモンドジュエリーを売ろうか売るまいか迷っている人は、「使わずにタンスの奥で眠っているジュエリーなら、使ってくれる人に売った方がいい」「大切な思い出のあるジュエリーを二束三文で売りたくない」この二つの思いが錯綜するのではないでしょうか。それでも売ろうと決心したら、いくつものお店を回って査定してもらったほうが良さそうですね。これぞ、ジュエリーを売りたい人の鉄則です。