ダイヤモンドを知る

そもそもダイヤモンドとは?知らなかった生成過程について!

ジュエリーやマリッジリングとして使用されるダイヤモンドですが、宝石そのものの生成の過程や歴史、神話、名前の由来などはあまり知られていません。ダイヤモンドそのものについて知るとさらにその価値について深く知ることができます。
そこで今回はダイヤモンドがそもそもどんな物なのかということについてまとめてみました。

ダイヤモンドはそもそもどんな物質か、その生成過程は

ダイヤモンドは炭素の一つであり黒鉛などと同じ原子で構成されています。しかしダイヤと黒鉛では結晶構成に違いがあるので原子は同じでも全く違う見た目のものになってしまうのです。また、ダイヤモンドは単一、つまり一つの元素でできた唯一の宝石です。他の宝石はどれも2種類以上の組み合わせによって形作られています。

ダイヤモンドができるまでの生成は自然の奇跡を感じさせるような過程を辿ります。ダイヤモンドは一番古い物で45億年前に地球の内部のマントルという部分で結晶化したという説があります。これは地球の歴史の最初の時期にあたるのですから、ダイヤモンドは気の遠くなるような昔から存在していると言えるでしょう。しかもそれだけではなくダイヤモンドがこの地表から奥深くの場所で奇跡的に生成されるにはそれに適した高温と高圧のある環境でなければなりません。まず、ダイヤモンドができる環境は地表から深さ125~200km、温度900℃~1000℃、高圧45~60キロバールと言われているのですが、この条件が満たされると炭素原子の集まりの岩石が高温で溶けて原子が放出され、高温、高圧という環境の中で結晶の生成が始まるのです。生成が始まる過程だけでもいくつもの奇跡的な条件が必要なのです。

ダイヤモンドは火山噴火と共に地上に現れる

その後、地球で起きる火山の噴火などに伴いダイヤモンドは地上に姿を現します。
といってもこの時のダイヤモンドはマグマと共に地上に押し上げられるのですから、まだ現在のような姿ではありません。ダイヤモンドは音速を超えるスピードで一気にマグマと一緒に地上に押し上げられ、地上の空気に触れることで冷却されて固まり、キンバーライト、ランプロアイトなどと共に鉱石の集まりである鉱床というものになります。しかしこの鉱床がうまくできるのもマッハ1、8ほどのスピードでマグマと共に急上昇することが条件であり、速度が遅いとグラファイトという別の鉱石になってしまうそうです。

こうして様々な条件をクリアして形成された鉱床ですが、長い時間が経つとキンバーライト、ランプロアイトなどの鉱物は風化し失われてしまいます。しかしダイヤモンドは風化に強くなくなることがありません。そして残されたダイヤモンドは、また長い時間をかけて河川などに運ばれて川底などに堆積するのです。ダイヤモンドは紀元前4世紀頃にインドの民族によって最初に発見されたのではと言われていますが彼らは川底からダイヤを見つけたそうです。まさに奇跡的な気の遠くなるような生成過程を経て、ダイヤモンドが人類の手に渡った瞬間と言えるでしょう。インドの人達はこのダイヤを非常に希少な物と考えていたようで、寺院にある神様の彫刻などの目にはめ込んだりしました。

また、古代インドでは現在の物とはだいぶ異なりますが、宝石の研磨が最初に行われたとも言われており、呪いのダイヤとして有名な青いダイヤ、ホープもインドの寺院の彫像の目に使用されていたとされていますから、とてもダイヤモンドと関わりの深い国であると言えるかもしれません。

ダイヤモンドが現在も特別な宝石とされる理由

ダイヤモンドの宝石言葉は永遠の絆、純潔、不屈などですが、この石がこのようなイメージを持つに至った理由も人類の歴史と共にあったと言ってもいいでしょう。ダイヤモンドはその硬さから古代の人々に特別な力を宿す石と信じられていました。例えば古代ギリシャでは神々の涙、流れ星のかけら、キューピッドの矢の先についている魔法の石とも信じられていました。

他にもインドのヒンドゥー教徒の間では稲妻が石に当たることで誕生する石であるとされユダヤ教では罪の疑いのある人の前にこの石をかざし、色が曇れば有罪、輝けば無罪としていました。ローマではこの石はアダマス(征服し得ない、屈しない)という意味で呼ばれ、兵士達のお守りになりました。古代の王達は戦地へ赴く際はダイヤモンドを胸当てなどの防具に散りばめて戦いました。

中世になるとダイヤモンドはその希少性からフランスにおいては王のみが持つことを許される石とされたこともありました。ちなみにダイヤモンドは日本では金剛石と呼ばれていました。この金剛とはダイヤモンドのことを表し金剛力士像などの仏像彫刻にも使われている言葉です。また、とても硬い、強いといったイメージとしても使用されたようです。平安時代には最澄という僧侶が活躍しましたが、この最澄が密教(仏教の教えの一つ)の法具として使用した物に金剛杵という道具があります。これは仏の教えが煩悩を滅ぼし菩提心に至る境地をインドの武器に例えて作ったと言われています。この金剛杵は一説によるとダイヤモンドで作られていたのではないか?と言われているのです。

このようにダイヤモンドが現在も特別な石として珍重されるのは、世界各国で人間が古くからダイヤモンドに何か神聖な力を感じてきたからなのです。

ダイヤモンドの八面体は神秘的

ダイヤモンドは六面体や十二面体の結晶構造の物もありますが、多くは八面体です。この八面体は正式には正八面体というのですが、古代ではこの形は非常に神秘的であるとされていたようです。哲学者のプラトンは「八面体を含む多面体には宇宙の森羅万象を支える力がある」としていますし、古代のインドにおいては八面体、つまりダイヤモンドを持つ物は、ヘビ、毒、病気、泥棒、水、悪霊などのあらゆる厄災から守られると信じられ、魔除けのお守りとされていたそうです。

また、インドの知恵であるヨガの概念に登場するチャクラもこの八面体に何か関わりがあるのではとされています。インドの人々は古くから数学的な数や形を神秘的なものと考えていたようです。このようにダイヤモンドが不思議な力を持つと信じられてきたのには結晶の形の神秘性も含まれているのです。

ダイヤモンドは硬さと輝きを持つ特別な石

古代から中世の15世紀ぐらいまでは、硬さやその形(八面体)などが古代ではダイヤモンドの価値とされてきましたが、その後、研磨技術が進歩するとこれまでの硬さという稀少性に新たに美しい輝きという価値がプラスされます。

その後、ダイヤモンドは結婚などの特別な行事にその色あせない美しさ、割れることのない硬さなどを夫婦の絆の強さ、愛などに重ねあわせて用いられることが多くなっていきました。ダイヤモンドが現在でも非常に希少な宝石である理由は、その長く奇跡的な生成過程、古代や中世という昔の人々の想いなどから生まれた物であると言えるでしょう。ダイヤモンドとはこのようなことから誕生したまさに奇跡の結晶なのです。

まとめ

いかがでしたか?
ダイヤモンドは実にいくつもの奇跡的条件や、古い時代の人々の手を渡り歩いて現在のイメージになった宝石と言えるのではないでしょうか。このような全てを複合した特別な石がダイヤモンドであり、それゆえに結婚など特別な日にふさわしい石であるとされているのです。

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