ダイヤモンドの評価

歴史から見るダイヤモンドカット

歴史から見るダイヤモンドのカット

美しく輝くダイヤモンドですが、この輝きを美しく見せているのはカットの正確な美しさと比例しています。
今回はカットの評価方法やグレードとともにカットの歴史についてお話ししたいと思います。

カット評価とグレードについて

ダイヤモンドのカットは形状(ハートシェイプ、ペアシェイプ、トリリアントカット、マーキスカット、エメラルドカット、プリンセスカットなど)のことだと思われがちですが、ダイヤモンドのカットグレードは、ダイヤモンドのファセットにより放たれる光の美しさで評価されます。
各石の個性を活かし、加えて対称性、正確な研磨がダイヤモンド特有の乱反射する美しい光を放ちます。
それを実現できるのは、カッターの正確で高い技術が必要となります。

ダイヤモンドは、光と輝きを強く放つことで知られています。 ダイヤモンドのカットは、形状(ラウンド、ハート、楕円形、マーキス、ペア)のことだと思われていることがよくありますが、ダイヤモンドのカットグレードは、ダイヤモンドのファセット(カット面)が光といかに良い相互作用を持つかを評価するものです。
石のバランス、対称性および研磨がダイヤモンドでのみ可能な光の見事な反射を生みます。そのため、正確な芸術的手腕と細工が石を形づくるために必要とされます。

また、ダイヤモンドの4Cの中でも最も複雑で分析もとても困難なのがカットです。
標準ラウンドブリリアントダイヤモンドのカットグレードを決めるのに、外観の美しさとファセットの割合を計算して評価されます。

評価グレードは、1番高評価なのがEXCELLENT(エクセレント)、続いてVERY GOOD(ベリーグッド)、GOOD(グッド)、FAIR(フェアー)、POOR(プアー)と5段階に評価されます。
グレードが高いほど、光を表面上に反射し美しい光を放ちます。

現代ではカット技術の進歩により、EXCELLENTの中でもさらに素晴らしいカットの3EXCELLENT(トリプルエクセレント)とH&C(ハートアンドキューピット)が加わり、エンゲージリングなどではマストグレードとなってきています。

3EXCELLENT(トリプルエクセレント)はカットグレードを決める仕上げ(フィニッシュ)項目に併記される研磨状態(ポリッシュ)と対称性(シンメトリー)の3つがエクセレント評価の正確性の高いハイクオリティなダイヤモンドです。
ちなみに通常のEXCELLENTやEXCELLENT H&CはポリッシュかシンメトリーのどちらかがVeryGood評価になっています。
また3EXCELLENT(トリプルエクセレント)評価のものでもH&C(ハートアンドキューピット)が出ないダイヤモンドもあります。
これは3EXCELLENT(トリプルエクセレント)の評価数値に値しているものの、拡大してみた場合に一部に正確でない部分があるためです。
3EXCELLENT(トリプルエクセレント)を選ばれる場合はH&C(ハートアンドキューピット)の出るものを選ぶとより正確性の高いダイヤモンドを選ぶことが出来ます。
国内相場は3EXCELLENT H&C > EXCELLENT H&C > 3EXCELLENT(=ノーマルEXCELLENT) の順に高額で取引されています。

ダイヤモンドをクラウン側から見ると綺麗で正確な8つのアロー(矢)が、パビリオン側から見るとハート像がくっきりと観察出来るダイヤモンドをハートアンドキューピットと称します。
それぞれの位置関係や形状に基準があり、エクセレント評価のダイヤモンドで同じようなアローやハートが確認出来ても模様が薄かったり少しのズレがあることでH&C(ハートアンドキューピット)と認定されないダイヤモンドが沢山あります。
特に国内鑑定機関の認定はかなり厳しく、海外でH&C認定されたものでも認定されないダイヤモンドも多々あります。

このようにグレードをつけて評価されるのはラウンドブリリアントカットが施されたダイヤモンドのみです。
ラウンドブリリアントカットは輝きを重視したカットで原石の半分以上をロスすることになりますが、ダイヤモンドをダイヤモンドらしく強く輝くダイヤモンドに見せるのに1番適したカットです。
エンゲージリングにも採用される、ダイヤモンド=ラウンドブリリアントカットといっても過言ではないカットデザインなのです。

現代では定番中の定番中のカットですが、ラウンドブリリアントカットが登場したのは20世紀に入ってからのこと。
では、それまではダイヤモンドにカットが施されていたのでしょうか?
ここからはダイヤモンドカットの歴史についてお話ししたいと思います。

ダイヤモンドカットの歴史

紀元前からダイヤモンドが採取されていた古代インドでは当時から高度な研磨技術を持っていました。
グレートムガルと言われるドーム状で平らな研磨面が施されたカットもありましたが、カボションカットのように丸く磨いたつるんとした仕上がりが好まれていたようで、ダイヤモンドの輝きが増す、平面な研磨面のあるカットの開発が進むのは中世ヨーロッパ時代以降です。

ダイヤモンドの輝きが注目されるようになるのは14世紀に入ってからで、14世紀末頃にはパリでダイヤモンドの研磨職人が働いていたと記録が残っています。
この頃以降からはダイヤモンドの輝きを増すカットが施され、15世紀にテーブルカット、ローゼンツカット、16世紀にローズカットが生まれました。

南アフリカやインドからダイヤモンドが多く輸入されるようになった17世紀に入るとダイヤモンドへの関心がより高くなりました。
ルイ14世とフランス宮廷の時代にはロウソクの光が反射面(ファセット)に反射する輝きを追求されるようになります。
面の多いローズカットなどが愛されるようになり、よりカット面の多い複雑なデザインになっていきます。
一般的なローズカットは底面が平らで表面は24の三角形の面が組み合わされて中央に向かって高さがあるように研磨されています。
この形状がバラのつぼみに似ていることからローズカットと名付けられました。
この後、より強い輝きの反射を追求した研磨職人達は試行錯誤の結果、底面にも高さのあるマザランカットを開発します。
研磨面の少ないシンプルな形状ですが、このカットは最初のブリリアントカットと言われ、ここからブリリアントカットの改良がされていきます。

17世紀末になると、ベネチアの研磨職人ペルッツィによる現代のブリリアントカットに繋がる最初の58の研磨面が施されたカット、オールドマインカットが開発されます。
この時はまだ正方形に近く、その後外形が円になったオールドヨーロピアンカットが登場します。
研磨面は同じ58面で研磨面の形が現代のブリリアントカットにとても似ています。
外形が円になったことは大きな変化で、ダイヤモンドの美しさを決める、ブライトネス・ディスパージョン・シンチレーションの3つの要素を引き出すことに成功しました。

ダイヤモンドのカットが再び開発されるのは、19世紀末の電灯の発明がされた頃です。
パビリオン側がさらに浅くより適正なプロポーションになります。
1919年にマルセル・トルコフスキーが光学的特性に基づいたブリリアントカットのプロポーションが発表されました。
現代の美しく輝くダイヤモンドはこの19世紀末から引き継ぎ、現代の一般的なブリリアントカットのベースとなっているのです。

約100年もの間殆ど変わらず引き継がれ、現代の基準のカットとなるブリリアントカット。
まさにダイヤモンドの輝きを追求し尽くしたカットと言えるかと思います。

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