ダイヤモンドを知る

ダイヤモンドの天然インクルージョンとはどんなもの?

ダイヤモンドは、それぞれが内部に独特な特徴を持つ宝石です。天然のダイヤモンドにはひとつずつに違った個性があり、全く同じものはどこを探しても存在しません。そういった特徴を表す一つの要因に、インクルージョンと呼ばれる内包物があります。こういった内包物は天然であることを証明するものである反面、鑑定の際にはマイナスとなる欠点ともなります。ダイヤモンドには必ずと言って良いほどあるインクルージョンとは、どのようなもので、どの様にして出来るのでしょうか?
今回は、ダイヤモンド内部にあるインクルージョンの秘密についてお伝えします。

インクルージョンはなぜ出来るの?

基本的には無色透明なダイヤモンドですが、10倍ルーペなどでよく観察すると、黒い点や結晶の様なインクルージョンと呼ばれる内包物が確認されます。大きいものでは肉眼で簡単に発見できるものもあります。では、この様な内包物は一体、何で出来ているのでしょうか?

ダイヤモンドは炭素が結晶となって生成されます。その成長過程は果てしなく長く、何千年以上もの歳月を超えて育ちます。しかも、空気の良い森林や澄み切った海の底などといった場所ではなく、地中の奥深い場所でひとりきり、想像できない程の高熱と高圧をかけられながら育つのです。

その成長過程で何らかの障害が起こることにより、内部に欠点が生じてしまいます。インクルージョンが出来る要因はいくつもあるので、それぞれの特徴を見ることで、なぜインクルージョンが出来たのかを理解することができます。

例えば、小さな結晶の内包物がある場合。これは、生成中に近くにある他の結晶が何らかの形で入り込んでしまい、そのまま一緒に成長してしまったものです。他にも、結晶のゆがみによるもの、衝撃によるもの、ひび割れや曇りが原因のものなど、内部と外部からの両方の影響でインクルージョンは出来てしまうのです。

インクルージョンの種類とは?

では、ダイヤモンドにはどの様なインクルージョンが存在するのでしょうか。こちらでは、天然で出来るものと人工的に出来るものを分け、それぞれの内包物の種類別の名称と要因、見た目などについて簡単にご説明します。

  • 天然のインクルージョンの種類
  • ベアデッドガードル(Bearding Girdle/BG)
    ガードルから石の内部に向かって伸びている、フェザー状のもので、石をカットする際にできたものです。ガードルにあるフェザーが多すぎると毛羽立った感じになるので、引っかいた傷の様に見え、さらに灰色ぽく見えることがあります。

    キャビティ(Cavity/Cv)
    石の表面に大きくて深い穴があるものです。ほとんどの場合は、研磨をする際に内包物を除去した時の穴です。この穴には汚れや油分が溜まりやすく、その汚れがさらに黒くなった結果、穴が目につきやすくなります。この穴を研磨してしまうと石のサイズが小さくなるので、ほとんどは削らずそのまま残しておきます。

    チップ(Chip/Ch)
    ガードルやキュレット、ファセットの境界線などの近くによく見られる、小さくて浅い開口部です。表面に衝撃が加わることで出来たものです。

    クラウド(Cloud/Cld)
    細かいピンポイントのクリスタルが集合したものです。ひとつずつ鑑定するのは無理であり、群になったピンポイントが雲のように見えることから、こう呼ばれています。

    クリスタル(Crystal/Xtl)
    ダイヤモンドの内部に入り込んだクリスタルの結晶です。鉱物の種類によって色や構造が違う事が確認されます。別のダイヤモンドが入った場合は無色、炭素の場合は黒色、ガーネットだと赤色、ぺリドットは緑色のものが見られます。

    フェザー(Feather/Ftr)
    石の内部に小さなヒビや欠けがあるものです。見る角度によって透明に見えたり、あるいは全く見えないという事もあります。光を反射した時には白い羽根のように見えることがあるので、フェザーと呼ばれています。ヒビなどが大きいと耐久性に影響が出ることも。特にヒビが表面やガードル近くにあったり、ふたつがお互いに近かったりする場合は、注意が必要です。

    内部グレイニング(Internal Graining/IntGr)
    結晶が不規則に成長したために起こります。色付き、乳白色、薄い線やすじなどがあり、大きさによってはシワや反射光の様にも見えます。

    インデンテッド・ナチュラル(Indented Natural/IndN)
    研磨した表面にごく近い内部に、原石の表面や地肌が残っているものです。原石を研磨する際に触れられずに残ったもので、ガードル近くに見られるのが一般的です。

    ノット(Knot/K)
    元々は内部にあった無色透明のクリスタルが、研磨により表面に露出したものです。

    ニードル(Needle/Ndl)
    細長い針の様な内包物です。白色か透明のものが一般的で、10倍ルーペで発見できます。針状のものが集合している場合は、透明度に大きな影響が出てしまいます。

    ピンポイント(Pinpoints/Pp)
    非常に小さい点状のクリスタルです。通常は白か黒色をしており、10倍ルーペで確認できます。

    トゥイニング・ウィスプス(Twinning Wisps/W)
    成長過程で作られた、ピンポイント、クラウド、フェザー、クリスタルなどの内包物が混合した結果出来るものです。ダイヤモンドが成長している途中に何らかの不都合が生じると、成長が一時的に停止します。やがて再スタートした時には、成長が別の方向から始まってしまい、ゆがみが生じます。その結果、曇ったり双晶面のように見えるトゥイニング・ウィスプスが発生します。

    ブルーズ(Bruise/Br)
    表面にある欠けやくぼみです。石が外部から強い衝撃を受けることによって生じたものです。フェザーに囲まれたものもあり、通常はファセットの境界線のあたりで発見されます。

    グレインセンター(Grain Center/GrCnt)
    結晶構造の中で集中的にひずみが生じた部分です。白色またはダークな色合で、ピンポイントや糸状のものを伴う場合が良くみられます。

    クリベージ(Cleavage/Clv)
    ひび割れが見られるものです。結晶内の原子同士の結合する力が弱いために発生します。

    • 人工的な作業によって出来るインクルージョンの種類
    • レーザードリルホール(Laser Drill Hole/LDH)
      石の内部にあるインクルージョンを処理するために、レーザー光線で穴を開けて除去した時のものが残っている状態。一般的にはパビリオンの方から穴が開けられています。照射により表面にまで届くフェザーが発生することもあり、この場合は内部レーザードリリングと呼ばれます。

      鑑定書でインクルージョンはどのように説明されているの?

      鑑定書でインクルージョンの記載を見てみましょう。クラウン面(表側)とパビリオン面(後ろ側)から見た時の絵があります。このダイアグラムにインクルージョンやヒビ割れの場所が記入されています。

      記入されるインクルージョンは、それぞれの決められたシンボルで表示されています。例えば、クリスタルなら小さな丸、ニードルなら細い線などといった解りやすいシンボルで書かれています。

      これらのシンボルは全て赤で表示されていますが、ノット、キャビティ、インテンデッドナチュラル、レーザードリルホールなどの2本の線を使うものは赤と緑で表示されています。ダイアグラムを見てみると、インクルージョンの位置と大きさがはっきりと見分けられる様に書かれていることが解ります。

      透明度に影響を与えるインクルージョン

      今回は、ダイヤモンドの内部にあるインクルージョンの要因や形についてお伝えしました。ダイヤモンドには、多種類の内包物や欠けなどがあり、状況によっては色がくすんだり割れてしまう可能性もあるほどです。

      インクルージョンは肉眼では発見しにくいので、鑑定書に書かれている意味が解ると、とても便利です。鑑定書に関する知識をしっかり磨いて、購入する際のヒントにするだけで、ワンステップ上の賢いショッピングが出来るようになります。

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