宝石といえばダイヤモンドと言っても過言ではないほど有名なダイヤモンドですが、どんな鉱物なのかなど詳しくは分からないことが多いのではないでしょうか?
今回はダイヤモンドとはどんな宝石なのかを詳しくお話したいと思います。
ダイヤモンドの誕生
ダイヤモンドはどのようにして出来るのかは、現在でも多くの謎があり完全に解明されているとは言えません。
またその謎が多い部分こそ魅力とも言えます。
ダイヤモンドの原石は紀元前七、八世紀頃にインドの砂礫の中で発見されました。
1870年に南アフリカの農場の黄色い土の中からダイヤモンドが見つかってからは、インドの砂礫の中よりも数多く見つかるようになりました。
黄色い土でのダイヤモンドを掘り尽くした後には、硬く青黒い岩石が出てきました。
この岩はキンバレー岩と言われるダイヤモンドの原石で、黄色い土はこのキンバレー岩の風化土壌でした。
ところが、キンバレー岩の全てにダイヤモンドが含まれているわけではありません。
キンバレー岩の殆どは7000万年から1億2000万年前の白亜紀に生まれています。
しかしその中に含まれるダイヤモンドは、45億年も前に結晶したものが含まれていました。
これはキンバレー岩の中でだけ結晶したのではなく、キンバレー岩が地上に噴出した時に、地下で一緒に取り込んできた岩石にダイヤモンドが含まれていたのだと考えられています。
ダイヤモンドは地球上で一番古い石
ダイヤモンドの中に含まれる放射性元素を測定すると、ダイヤモンドの生成の年代を知ることが出来ます。
南アフリカのプレミア鉱山で測定したところ、一番古いダイヤモンドは45億年前で一番新しいものは1,2億年前に出来たものでした。
キンバレー岩は1,2億年前に噴出したことが判っているので、一番新しいダイヤモンドはキンバレー岩のマグマの中で結晶化したと言うことです。
また、一番古いダイヤモンドは地球が45,5億年前に誕生して間もなく結晶したものと思われます。
地表に現れた岩石で一番古いものは約38億年前のものとされていたので、このダイヤモンドは地球上最も古い石であるということになります。
実は宝石扱いされていなかったダイヤモンド
ダイヤモンドは「宝石と言えば真珠」と言う時代に発見されました。
貴重な石でしたが、当時はただ硬い石と言う認識でしかなく、価値は殆どありませんでした。
何故なら当時の「宝石としての条件」を満たしていなかったからです。
宝石には装飾品としてのみでなく、財産としての価値も必要です。
その条件とは
- 美しさ
- 耐久性がある
- 希少価値がある
の3つです。
ダイヤモンドは耐久性がある、希少価値があるは満たしているものの、当時は美しさは兼ね備えていませんでした。
ダイヤモンドは結晶で採取されますが、硬度があっても脆いため、完全な結晶では見つけられません。
そして当時の技術では、ダイヤモンドは硬すぎて加工が出来ませんでした。
ダイヤモンド粉末を使ってダイヤモンドを研磨する方法が発明されたのは、15世紀になってからのことです。
加工の技術が確立されたことで、ダイヤモンドが宝石の王様となったのです。
ダイヤモンドって本当に希少なの?
ダイヤモンドは希少価値があるから、高額で価値があるのだと思われているかと思います。
この認識は実は間違いです。
現在までに数多くのダイヤモンド鉱山が発見・開発され、大規模な投資がされてきました。
その結果、今はダイヤモンドの原石は生産過剰な状態です。
また、今ではキュービックジルコニアやモアッサナイトと言う人工ダイヤモンドも存在しています。
生産過剰で人工的にも作れてしまうダイヤモンドは、実は希少ではありません。
では何故現在でも、高額で資産として取引されているのか。
それはデビアス社とそのシンジケートが、世界のダイヤモンドの供給をコントロールしている為、価格が安定しているのです。
その為、ダイヤモンドは希少価値があり、財産的な価値もあると思い込まされているのです。
ダイヤモンドって本当に耐久性があるの?
一般的にダイヤモンドは地球上で一番硬い物質だと言われ、耐久性もあると言われています。
一般的に言うとそう言えますが、実は弱点もあります。
ダイヤモンドの靭性は 7.5 なので水晶と同じです。
その靭性は、高い所から落とせば割れる可能性もある程度なのです。
また、ダイヤモンドは約1,000 度で燃えてしまいます。
火事にあえば灰にまでならないまでも、ダメージを受けるとは考えた方が良いでしょう。
耐久性を持つとは、完璧な状態がいつまでも保てると言うものではないと言うことです。
ダイヤモンドって本当に美しいの?
美しいこと、とはどのような状態でしょうか?
クリアに煌めき、光を放つグレードの高いダイヤモンドは間違いなく美しいと言えます。
ですが、それが全てとは言えません。
ダイヤモンドの中にも、工業用のダイヤモンドがあります。
ジュエリーになっているものでも、中には美しいとまでは言えないダイヤモンドも存在します。
品質基準(グレーディングレポート付き)で評価されたダイヤモンドであれば、間違いなく美しい断言できます。
天然ダイヤモンドと人造ダイヤモンドの見分け方
今や技術も進化し、天然ダイヤモンドよりも内包物のない、完璧なダイヤモンドが作れるようになりました。
ですが、価値には大きな違いがあります。
例え素人でも、人工ダイヤモンドと天然ダイヤモンドが気軽に見抜ける方法があるなら、知っておきたいですよね?
いくつかありますが、簡単な方法をご紹介します。
・人工ダイヤモンドは下の文字が読める
ダイヤモンドは屈折率が高く、石を通過するときに光が曲がります。
ダイヤモンドのとんがっていない頭に方を下にして、文字の上に置いてみてください。
文字が読めたら人工ダイヤモンド(キュービックジルコニア)。
文字が読めなかったら天然ダイヤモンドです。
ちなみに点を1つ書いた紙の上に同じように置いて覗いて、点が2つに見えたならモアッサナイトです。
・人工ダイヤモンドは2倍の重さ
キュービックジルコニアは見た目は天然のダイヤモンドにそっくりですが、密度が高いです。
同じ体積で比べるとキュービックジルコニアはダイヤモンドよりも1,7倍重くなります。
サイズの大きいものであれば手のひらで比べても分かりますが、測りなどで比べると一目瞭然です。
・人工ダイヤモンドは曇ってしまう
これは有名な見分け方かと思いますが、ダイヤモンドに直接息をかけて曇り具合を見ます。
眼鏡のレンズを磨くように息をハーッとかけて曇るようなら、それは人工ダイヤモンドです。
天然ダイヤモンドは曇らせようとしても熱伝導率が高いので、すぐに晴れてしまいますので曇りません。
・人工ダイヤモンドは完璧すぎる
天然のダイヤモンドの殆どは内包物が見られ本当の透明なダイヤモンドはほぼありません。
人工のダイヤモンドはすっきりとした内包物のない真の透明です。
インクルージョン(内包物)のある・なしはダイヤモンドをみきわける人間の指紋のような役割を果たしてくれます。
いかがでしたでしょうか?
身近でよく知っているような気がするダイヤモンドですが、実は詳しくは知らなかった!なんてこともあるのではないでしょうか?
いつも見ていたダイヤモンドが、実は45億年も前のものかも…と考えるとなんともロマン溢れる石に感じられませんか?
既に手にしている方も、これから手にする予定の方も、ダイヤモンドについて今まで以上の思い入れを感じていただけたら嬉しいです♪