ダイヤモンドの鑑定書には、4C(カット、カラット、クラリティ、カラー)というグレード別に評価結果が表記されています。これら4つのCの内のひとつにカラットという評価があります。宝石は一粒何カラットという表現で記載されており、この数値を基準に宝石の大きさを判断します。時折ニュースなどで、「オークションで世界最大の120カラットのダイヤモンドが競売にかけられる!」などといった表現を見かけることがある通り、宝石の価値を伝えるには、まずカラットがどれだけであるかというだけで、そのダイヤモンドのイメージや希少価値を想像することができるのです。
今回は、4Cのひとつであり、どれだけの大きさかを判断する基準となる、カラットの意味や価格との関係についてお伝えします。
カラットは重さを表す基準です
カラットは英語では「Carat 」と書き、これを略して「ct」と書かれています。一般的には宝石の大きさを表す言葉として通用していますが、実はこれは宝石そのものの「重さ」を表現するものなのです。ちなみに1カラットは約0.2gです。カラットという言葉の起源は、遠い昔の地中海沿岸でキャロブ(イナゴ豆)を宝石を計る単位として使用していた事から始まりました。キャロブはCarobと綴り、重さがほぼ0.2グラムです。軽い宝石類を計るのに最適だったので、この単位が世界で定着するようになり、キャロブ(又はギリシャ語でキャラティオン)から取った「カラット」という呼び方になったという事です。
ダイヤモンドは希少価値が大変高く、1カラットを入手するには、大変な時間と労働力が必要となります。例えば、カットや研磨処理を終えてジュエリーにセッティングするための1カラットのダイヤモンドを手に入れるには、約250トンの鉱山から原石を採掘し、加工されなければなりません。ダイヤモンドの採掘量は年々減少してきており、その希少価値は高くなるばかりです。こういった理由からダイヤモンドの価値が上がり、同時に価格も上昇しているのです。
カラットを重量と長さで判断してみる
宝石の1カラットは、約0.2gです。これは世界的に定められている国際基準です。0.5カラットという大きさの場合では、0.5カラット×0.2グラム=0.1グラムといった重さになります。重量で表すととても軽いように感じますが、この重量がほんの少し違うだけで、宝石の見た目の大きさにはかなりの差が出るのです。
それでは次に、重量ではなく寸法でその大きさを判断することにしましょう。一般的なラウンドカットのものを例に挙げると、1カラットの宝石の直径は、約6.5mmとなります。これより以下に、1カラット以下のものの直径の長さを表示します。いずれも、およその単位となります。
0.1ct = 3.0mm、0.2ct = 3.8mm、0.3ct = 4.4mm、0.4ct = 4.8mm、
0.5ct = 5.2mm、0.6ct = 5.25mm、0.7ct = 5.8mm、0.85ct = 6.2mm、1ct=6.5mm
1グラム以下の重さだと、とても軽い印象で実感がないかも知れませんが、寸法で見てみると、大体の大きさがイメージできるのではないでしょうか。
先に挙げた例は、ダイヤモンドカットの定番であるラウンドの場合ですが、その他の長方形や正方形、楕円形などにカットされたファンシーカットの場合は、それぞれの直径の長さが違うので、同じ1カラットのものでも寸法に違いが出ます。では、こちらで1カラットのファンシーカットダイヤモンドの長さを例に挙げて、それぞれ比べてみることにしましょう。
プリンセス1ct=5.5mm、アッシャー1ct=5.5mm、クッション1ct=5.5mm
エメラルド1ct=7×5mm、マーキス1ct=10×5mm、オバール1ct=7.7×5.7mm、
ペア1ct=7.7×5.7mm、ハート1ct=6.5mm
プリンセス、アッシャー、クッションの正方形のカットは同じ長さですが、長方形のエメラルドになると縦幅が長くなります。楕円形のマーキスやオバール、ペアでは縦幅が大きく増え、さらに先端の尖ったマーキスは縦の長さが最長となります。ハートは四角形よりも少し大きくなることが解りました。
婚約指輪で人気のカラット数は?
ダイヤモンドといえば、やはり定番なのが婚約指輪です。耐久性があり、その輝きが永遠に朽ちることの無いダイヤモンドは、永遠の愛を約束する証として、婚約時の贈り物として世界中で定着しています。それでは、婚約指輪を購入する場合には、何カラットのものを選べば良いのでしょうか。良く耳にするのは、セレブが何十カラットの指輪を受け取ったとか、お給料の何か月分のものを贈る、などといったお話です。
実際に婚約指輪を購入された方々に調査した結果では、平均して0.3カラットのものが一般的に人気があるという結果が出されたそうです。購入率が最も高かったのは、0.2カラットから0.3カラットのもので、次が0.3から0.4カラットのものでした。
0.3カラットというと、直径が約4.4mmです。大きくもなく小さくもなく、指につけていて違和感の無いちょうど良い感じのサイズといえます。日常につけていても邪魔にならず、どんなファッションにも合わせることができます。0.3カラットというサイズはどんなデザインの指輪にもセッティングしやすいので、選択の幅も広がります。他の指輪と重ね着けするなどして、指先のさりげないお洒落を楽しむこともできます。
カラットと価格の関係
ダイヤモンドを購入する場合に、まず気になるのは価格です。カラットの大きさは価格の違いに関係するのでしょうか?
やはり、カラットは大きければ大きいほど価格が上昇します。同じ1カラットのものがふたつある場合は、カット、クラリティ、カラーなどの他の評価の差で価格に差が出ます。同じ1カラットでも、カラット以外の評価が高いものの方が値段が高くなるということです。最近の調査結果では、婚約指輪として購入される平均価格は、25万から40万円のものが多いそうです。そして最も一般的な価格は35万円前後のものだということです。
ファッションとして楽しむなら
ダイヤモンドジュエリーをファッションとして楽しみたい方や、自分へのご褒美として購入をお考えの方は、大きさやデザインなど選択技がグンと広がるので、どれを選ぼうか迷われる方も多いかも知れません。仕事や普段使いとして、毎日ダイヤモンドジュエリーを着けたい方は、大きすぎない程度のものを選ばれることをお勧めします。あまり大きいと、仕事をする際に指輪を引っ掛けてしまう事もあるからです。仕事着や普段着にも合い、他のジュエリーとコーディネートも出来る様なシンプルで飽きの来ないデザインを選ぶことも大切です。
逆にフォーマルやお出かけ用としてのダイヤモンドジュエリーの場合は、大きめのゴージャスなものを選ばれるのが良いでしょう。大きなパーティ会場で遠くから見ても輝きが引き立つ様なものや、個性的なデザインのものだとパッと華やいだ雰囲気が演出されます。ドレスがシンプルでも、ジュエリーが豪華だとエレガントな雰囲気になり、好感度もアップします。
以上に挙げたのは一般的なアドバイスですが、ファッションの好みはやはり人それぞれです。ジーンズに豪華なダイヤモンドを合わせたりするなど、ご自分の個性を活かせる着こなしであれば、カラットや大きさにこだわらずに、どんどんダイヤモンドジュエリーを楽しむべきなのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は4Cのひとつであるカラットについて、お話ししました。ダイヤモンドは希少価値が高いので、大きくなるほど価格が上がります。人気の0.3カラット前後のものでしたら、カラー、クラリティ、カットのグレードが優れたものが沢山あります。通販でダイヤモンドジュエリーを購入される際に、すでに何カラット程度のものが欲しいと決まっている場合などは、その他の評価を必ず確認して少しでも良質のものを選ばれることをお勧めします。