ダイヤモンドの評価

ダイヤモンドの評価は何で決まるのか?

ダイヤモンドの評価

ダイヤモンドの評価について

美しい永遠の輝きを持ち、世界中の人々から崇められているダイヤモンド。時代や国を超えて、人の手によって磨かれて、今の美しい姿となっています。ダイヤモンドの価値は、どこで決まるのでしょうか?どこで誰がダイヤモンドを評価して価値が決まるのか、「ダイヤモンドの評価」について調べてみました。

ダイヤモンドの評価とは?

ダイヤモンドの評価の基準は、GIA(米国宝石協会)が定めたものです。「4C」と呼ばれる基準が、ダイヤモンドを評価しています。

ダイヤモンドの価値を決める4C

ダイヤモンドの「4C」とは、カラー(色)、クラリティ(透明度)、カット(研磨)、カラット(重さ)の4つのCです。4Cそれぞれについて、簡単にご説明します。

<カラー(色)>
色は、無色透明のものが最高品質で、黄みを帯びているほど評価が下がります。マスターストーン(基準石)をもとにカラーを鑑定します。ダイヤモンドの「D」が最高位で、アルファベット順に、Zまでの23段階に階級付けされます。

<クラリティ(透明度)>
インクルージョン(内包物)の大きさや傷の位置、数、によって11段階に階級付けされます。最高は「FL(Flawless)」です。

<カット(研磨)>
「ラウンドブリリアントカット」のみにカットに対する評価がされます。形と仕上げが評価の対象で、「EXCELLENT(EX)」を最高位に、階級付けされます。ラウンドブリリアントカット以外のカットは「ファンシーカット」と呼ばれています。

<カラット(重さ)>
石の重量の単位で、1カラットは0.2gです。小数第3位まで表示します。

GIA(米国宝石学協会)とは?

米国宝石協会とは、ジェロモジカル・インスティテュート・オブ・アメリカ(Gemological Institute of America)、略称はGIAです。カリフォルニア州カールスバッドに本校がある、世界的な宝石学教育機関と鑑別・鑑定機構で、鑑定に関する研究所でもあります。日本語では「米国宝石協会」と記されます。ニューヨーク、ロスアンゼルス、イタリア、香港、タイ、韓国、ロシア、イギリス、中国、台湾に分校があり、東京と大阪に提携校があります。米国宝石協会の宝石学修了者は「GIA-GG」、世界中の鑑定・鑑別機関で鑑定士として活躍する人が持つ称号です。日本では現在、ダイヤモンドの鑑定は、この米国宝石協会を基準としています。米国宝石協会は、ダイヤモンドの鑑定機関として最も信頼性が高く、権威もあるとされています。

4Cを定める前のダイヤモンドの評価は?

GIAがダイヤモンドの鑑定の基準となる4Cを定める前から、評価の方法はありました。カラーに関しては、各業者が「A、B、C」「1、2、3」というふうに自由にランクをつけていたので、その基準もバラバラであいまいなものでした。「A、B、C」のランクは、意外と広く使われていたようで、GIAが共通の基準として定めるときに、ダイヤモンドの「D」から始めることにしたのです。

鑑定書と鑑別書について

宝石には「鑑別書」が付いています。天然宝石の多様化とともに、石の合成技術も進化し、鑑定・鑑別に専門的な知識が求められています。鑑定書と鑑別書はどうちがうのでしょうか?

<鑑定書>
鑑定書(ダイヤモンド・グレーディング・レポート)はダイヤモンドだけにつきます。4Cのほかにも、細かいダイヤモンドのレポートが記入されています。表示される項目については、下記の「鑑定書の読み方」でご紹介します。ダイヤモンド以外の宝石には、国際的に認知されている基準や体系的な評価方法がありません。そのため鑑定は、天然ダイヤモンドだけを対象としており、鑑定書があるということが、天然ダイヤモンドの証となります。鑑定の結果は、最低二人以上のグレーダー(評価者)によって、結論を出しています。

<鑑別書>
天然石には、鑑別書を付けることができます。「鑑定書」はダイヤモンドだけのものですが、「鑑別書」はすべての天然石が対象です。表示される項目は、鉱物名、宝石名、透明度と色、カットの形式、重量、寸法、鑑別、備考、などです。鑑別はルース(裸石)に限らず、ジェリーにセットしてあるものでも可能です。鑑別はたくさんの検査項目があり、総合的な判断が求められます。そのため、一人のジェロモニスト(宝石学者)が責任を持って結論を出し、もう一人のジェロモニストが同じ石を鑑別して、食い違いがないよう徹底しています。

4C以外の評価

ダイヤモンドの評価のポイントは、4C以外にもあります。次のようなことも評価の対象になります。

<ブリリアンシー>
ダイヤモンドに入った光が幾重もの内部反射を経て中心に集まった光。目に見えるまばゆい光の輝きのことをいいます。

<ディスパーション>
ダイヤモンドの中に入った光が、光のスペクトルに分解され虹色に輝いて見えるものをいいます。

<シンチレーション>
ダイヤモンドのカットの表面で反射する光。見る人の位置によって、閃光のようにキラッと光って見えます。

ダイヤモンドの輝きは、この3つの輝きの相乗効果で起こります。たとえば「ブリリアンシー」を優先すると、テーブル面(表面)がある程度広い方がいいのですが、「ディスパーション」を優先するとテーブル面は狭い方がいいのです。どちらが美しく見えるかは、個人の好き好きもありますし、全体的なバランスもあるでしょう。総合して評価するには「4C」に当てはめ機械的に評価するばかりではなく、人の目も重要な判断基準になってくるのです。

鑑定書の読み方

鑑定書には次のことが記されています。

<カットの形状>ラウンドブリリアントカット、またはファンシーカットなど。
<寸法>自動計測機を使って、ダイヤモンドのガードル径2か所と全体の深さを計測します。
<重量>カラット
<カラー>D~Zまでの等級付け。
<色の起源>検査の上、天然か人口かを記載します。
<クラリティ>内包物や傷の有無。
<カット>5段階に等級付けされます。
<レポート番号>発行日とレポート番号が記載されます。
<プロポーション>テーブル径、ガードル厚、全体の深さ、キューレットサイズ(ダイヤモンドの先端のとがった部分)を計測します。

鑑定士とは?

宝石鑑定士とは、宝石の鑑別や鑑定(グレーディング、格付け)をする人のことです。国家資格ではなく、民間の機関より資格を与えられます。上記の「GIA」の項目で説明しました「GIA(Gemological Institute of America)-GG(Graduate Gemologist)」は米国宝石協会が認定している資格です。26週間(6か月間・780時間)をかけて理論と実技を学び、最終試験に合格すると、GIAからディプロマ(卒業証書)が授与されます。宝石鑑定士がいるところは、宝石鑑定機関、宝石専門店、百貨店の宝石サロン、輸入代理店などです。

ダイヤモンドの相場はどう決まるの?

ガソリンや金(ゴールド)のように、ダイヤモンドの相場も日々変わっていきます。ダイヤモンドは主に、世界の約30か国のダイヤモンド取引所や宝石業者が、取り引きをしています。宝石業者間の取り引きでは、米国のダイヤモンド情報誌が発行する「ラパポートダイヤモンドレポート」が、ダイヤモンド取り引きの相場を大きく影響しています。また、ダイヤモンドはすべて輸入品なので、外国為替相場によっても価格が変動します。USドルに対して、円安になればダイヤモンドは高くなり、円高になればダイヤモンドは安くなります。

ダイヤモンドがどのように評価され、どう表すかなどについて、ご紹介しました。たくさんの工程を経てダイヤモンドが市場に出て、また、たくさんの検査項目があり評価されているのですね。ダイヤモンドを選ぶときの参考にしていただけると幸いです。

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ダイヤモンドの4Cについて

  1. 歴史から見るダイヤモンドのカット
  2. ダイヤモンドの評価
  3. ダイヤモンドのクラリティ
  4. ダイヤモンドのカラー
  5. ダイヤモンドのインクルージョンとは
  6. ダイヤモンドの4C
  7. ダイヤモンドのカット

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