美しく輝くダイヤモンド。いつまでもその輝きを維持しておきたいですよね?実はダイヤモンドは薬品などにも強く、透明なので色落ちの心配もなく比較的メンテナンスしやすい宝石です。宝石店に出向いて手入れするだけでなく、ご家庭でも手軽に手入れが出来るのもダイヤモンドの魅力。では、どのようにメンテナンスすればよいのでしょうか?
日頃のメンテナンス・保管方法やさまざまなダイヤモンドのメンテナンスをご紹介します。
身に着ける
化粧やヘアメイクがすべて終わった段階で、ジュエリーを身につけましょう。ダイヤモンドや地金部分に香水やヘアスプレー、除光液が付くことが防げますので、ジュエリーへのダメージが少なくなります。食事の際には、酢や果物の汁がつかないようにしましょう。温泉に入る際や、塩素系洗剤を使うときにも外すようにしておくと、持ちが違ってきます。
身に着けたら、拭くを習慣に
素肌に身に着けるネックレスやリングは、汗や皮脂汚れが付着するのを免れません。身に着けた後のジュエリーは汗や皮脂、化粧品が思いのほか付着していて、ぱっと見はわかりませんが考えている以上に汚れています。日頃のメンテナンスで一番効果的なのは「身に着けたら、拭く」ことです。毎回ケースにしまう前に、やわらかい布で優しく拭きましょう。せっかくのダイヤモンドジュエリーを、少しでも長く美しく保つ一番の秘訣です。
仕舞う時は日光を避けて
熱や紫外線などで色が変わってダイヤモンドの質が劣化する場合があり、保管状況が悪いと持ちが悪くなってしまいます。直射日光のあたる場所や湿度の高い場所、防虫剤が入っている場所には置かないようにしてください。
また、宝石はそれぞれ硬度が違いますので、ダイヤモンドと真珠を一緒にしてしまうと真珠はキズついてしまいます。ジュエリーをしまうときは、仕切りのあるジュエリーケースや、個別のジュエリーケースで保管するとよいでしょう。ジュエリーケースは必ず、直射日光を避けた通気性のよいところに置いてください。長年使っていると、石を留めている爪がゆるんでくることもあります。お手入れする前に、ダイヤモンドが爪から外れないか、チェックしましょう。
ダイヤモンドケア基本の手順
準備するもの
- ぬるま湯
- 豚毛のブラシ(靴ブラシなどはほとんどが豚毛です)
- 中性洗剤
- 洗面器
- 柔らかい布(繊維の出にくい布がおすすめ)
- アクセサリーに付けられたダイヤモンドが緩んでいないかチェックしましょう。
- 洗面器にぬるま湯を入れダイヤモンドジュエリーを10分程つけておきます。
- ブラシに少量の中性洗剤を付け、ダイヤモンドを優しく洗います。この時使う中性洗剤は、研磨剤などの入っていない、食器用の液体中性洗剤を使うようにしてください。リングやペンダントヘッドの裏側の部分、ダイヤモンドの側面、爪の部分は汚れが溜まりやすいので特に念入りに。
- しっかり洗い流します。洗剤が残ってしまうと曇りの原因になりますのしっかりとすすぎましょう。この時シンクで流水しながらすすぐのではなく、必ず洗面器に水を張ってすすいでください。もしもダイヤモンドが外れた時に、排水溝へ流してしまわないためです。
- 柔らかい布で優しく拭いて乾かしましょう。
中性洗剤で洗浄
空拭きでは取れなくなってしまった汚れには、中性洗剤を使いましょう。ダイヤモンドは油となじみやすい性質を持っています。
手の指紋や皮脂、化粧品が付着すると表面を曇らせ、輝きが損なわれてしまいます。冬場に手が乾燥するからハンドクリームを使うなんて方も多いかと思いますが、ダイヤモンドの輝きには天敵です。外出先で気になった場合には、柔らかい布でふき取るのも応急処置になります。
家庭でのお手入れには、食器洗い用液体中性洗剤で優しく洗ってください。ダイヤモンドの裏側のパビリオン側が汚れている場合は、ぬるま湯に10分程度つけておき、歯ブラシに食器洗い用液体中性洗剤を付けて軽くブラッシングを行いましょう。
眼鏡用の超音波洗浄器で洗浄
歯ブラシなどでは落とし切れない汚れであれば、眼鏡店などで置いてある超音波洗浄器で洗浄するのも効果的です。メレダイヤなどの脇石がぎっしりとついていたり、小さな爪で留めてあるデザインは石が緩んでしまうことがあります。また、内包物が多いダイヤモンドや、ひびのあるダイヤモンドの場合、内包物が大きくなったり、ひび割れてしまうこともあります。
クラリティがSI1以下のダイヤモンドは、使用を避けましょう。アーム部分にダイヤモンドが埋まっているデザインや、しっかりとした爪で支えられているデザインであれば問題ありません。
ジュエリークリーナーで洗浄
ダイヤモンドはもちろん、今まで洗浄不可能だといわれていた真珠にまで使えるのが、万能ジュエリークリーナーです。洗浄液に1分から2分ほど浸し、その後水洗いをして、水気を拭き取るだけで、驚くほど輝きがよみがえります。
有名なのはモリモトのキラテリアという商品で、液体が入ったボトルの中に直接ジュエリーを漬け込むだけでとても手軽です。薬品が汚れで真っ黒に黒ずむまでは何度も使えるので、コストパフォーマンスもよいです。
液体のタイプ以外にも泡で洗浄するタイプもあり、好みによって使い分けるのもいいですね。成分は非イオン界面活性剤で、衣料用洗剤などにも使われる成分です。
アクセサリー引掛け針金、ミニブラシも付属しているので、キラテリアを購入すればすぐにでもお手入れできます。3、4週間を目安にジュエリークリーナーで洗浄を行うと、良いでしょう。
地金がプラチナ900以上とダイヤモンドだけに使える意外な薬品
プラチナとダイヤだけのジュエリーの洗浄にはパイプユニッシュがおすすめです。洗面所やお風呂の排水溝のつまりを軽減するドロッとしたあの洗剤です。ただし、劇薬になりますので手に付いたり目に入ると危険な上、臭いもキツイので使用にはくれぐれも注意が必要です。ですが、一晩置くと、ダイヤモンドの裏汚れや地金の汚れ、くすみもすっきりときれいになります。
注意してもらいたいのは、ホワイトゴールドやプラチナ900以下の地金のものにパイプユニッシュ洗浄を行うと、真っ黒になってしまいます。必ずプラチナ900以上、K18はイエローゴールドだけに使用しましょう。浸け置き後は、水洗いで洗剤が残らないようにすすぎを念入りにするようにしてください。
宝石店でのメンテナンス
長年使用していると、家庭では取りきれない汚れも出てきます。そんな時には専門家へクリーニングを依頼しましょう。クリーニング専門のお店では、ダイヤモンドルースの場合は軽石の粉で拭いた後に、アルコールで洗浄を行います。汚れが酷い場合は、硫酸と硝酸塩で煮沸消毒をします。
アクセサリーに加工されている場合は、超音波洗浄やイオン洗浄機にて洗浄を行います。専門家によるクリーニング方法は、家庭のケアでは取れない酷い汚れも落ちて、新品仕上げを依頼すると地金もまるで新品のように磨き上げられて仕上げることもできます。正しい知識をもってクリーニングが行われますので、クリーニング料金はかかりますが最も仕上がりの美しい方法。家庭でのケアをこまめに行っていれば、専門家でのクリーニングは2か月に1度くらいのペースで依頼するのがおすすめです。
永遠の輝きのためには正しいケアが必要
クリアな輝きを放つダイヤモンドにも、ほんの少しの手間をかけるだけで常に美しい状態を保つことができます。せっかくの美しい輝きを放つVS-1のダイヤモンドでも、くすんでしまってI-1の輝きになってしまうのはとてももったいないですよね。熱や衝撃、薬品にも比較的強く、メンテナンスしやすいダイヤモンドですから、正しいメンテナンス方法を理解し、ご家庭でのお手入れにもチャレンジしてみてください。