一生の記念となる大切な日。家族や友人たちの前で愛を誓う瞬間。結婚指輪は、この瞬間から一生身に着けていく大切な愛の証です。この日のためのおふたりだけの特別な結婚指輪は、余裕を持ってじっくりと選びたいものです。
指輪はジュエリーとして、古代エジプトの時代から使用されてきました。古代ギリシャでは、左手の薬指を通る血管は心臓に直接つながっているものだと信じられていました。ハートに一番近い指として、愛を誓う指輪を薬指にはめることは重要視されていたという有名な伝説があります。
歴史上、最初に結婚指輪をはめたという記録が残っているのは、9世紀にまでさかのぼります。1027年に書かれたと言われる「ローマの結婚指輪の起源」によると、9世紀のローマ皇帝ニコラウス1世が結婚した際、皇帝は鉄の指輪を受け取り、花嫁は金の指輪を受け取ったと記されています。
その後ヨーロッパでは、結婚式で指輪を交換する慣習が広まりました。カトリック教会では、左手の薬指に結婚指輪をはめることが、ローマ典礼儀式書によって定められました。
こういった西洋の習慣が日本に広まったのは、明治維新以降です。特に欧米文化が広がり始めた戦後には、西洋式のウエディングが取り入れられ、結婚指輪を交換するといった習慣にも人気が高まり始めました。
西洋では結婚指輪といえばゴールドが一般的ですが、日本ではプラチナが人気の素材です。デザインも多様化し、ダイヤモンドをセッティングした豪華なデザインのものや、婚約指輪とセットでデザインされた個性的なスタイルのものなど、選択は豊富です。
中でも人気なのは、小さなダイヤモンドが散りばめられた指輪です。シンプルな素材だけの指輪も素敵ですが、キラリと光るダイヤモンドがセッティングされていると、それだけで指元がパッと明るくなり、毎日着けていても飽きが来ません。
沢山ある結婚指輪ですが、ダイヤモンド入りのものを選びたい場合、どの様なことを考慮に入れれば良いのでしょうか。今回は、ダイヤモンドの結婚指輪を選ぶ時に必ず役立つ、大切なヒントをお伝えします。
ダイヤモンド結婚指輪の選び方
婚約指輪は、一粒のダイヤモンドが爪の上の高い位置でしっかりとセッティングされたものです。ダイヤモンドそのものが目立っていなくてはなりません。
それに反して、ウエディング・バンドとも呼ばれる結婚指輪では、ダイヤモンドは素材に埋め込まれているというスタイルが基本となります。指輪によっては、一粒ダイヤモンドのものや、多くのダイヤモンドが敷き詰められたもの、曲線が美しいフォルムに沿ってダイヤモンドを敷いたものなど、多数のラインから選ぶことが可能です。
ダイヤモンド結婚指輪を選ぶ際の基準として、考慮しておきたい点をいくつか挙げておきましょう。
指輪の素材
必ずしも、婚約指輪と同じ素材にする必要はありません。ホワイトゴールドとプラチナは同系色なので、見た目の違和感はほとんどありません。プラチナは高価ですが、重量が重く変色しにくい素材です。ホワイトゴールドは強度があり、傷がつきにくい素材。一般的にロジウムで表面加工が施されています。
ゴールドには、イエロー、ピンク、ホワイトの3色があります。ホワイトゴールドは人気の色ですが、ゴージャスなイエロー、お洒落なピンクもそれぞれ人気があります。伝統的なプラチナは定着した人気がある素材です。この他にも、イエローゴールドとプラチナなどをミックスした、個性的な色使いの指輪にも人気があります。
指輪のデザイン
結婚指輪と婚約指輪をふたつ一緒に左指の薬指に着ける場合は、色と形がマッチするものを選んでおくと、一緒に着けたときに違和感がありません。
婚約指輪は右手に、結婚指輪は左手に着けたいという場合は、形は少し違っていても構いませんが、色や素材は揃えることで手元がすっきり見え、自然な印象をあたえます。
形はシンプルなストレートなものから、曲線を描いたり、ツイストされたデザインなど。
指輪の太さも様々です。存在感のある太いものから、スタイリッシュな細いものや、独特のカットが施されたものまでなど、シンプルなものから個性的なものまで、多くの種類が揃っています。
ダイヤモンドの数
まず、ダイヤモンドの結婚指輪を選ぶときは、ダイヤモンド自体が婚約指輪のものより幾分か控えめなものを選ぶようにしましょう。
伝統的なスタイルの指輪のセンターに一粒のダイヤモンド。シンプルなデザインに、小さく輝く光を取り入れた指輪は、飽きの来ないデザインとして定番の人気アイテムです。
小粒のダイヤモンドを沢山敷き詰めた指輪は、とてもゴージャス。眩しく輝く指先をずっと見つめていたい。ファッションとしても楽しめそうな、スタイリッシュなデザインのものも揃っています。
大粒のダイヤモンドをセンターに、その両側に小粒のダイヤモンドを敷き詰めたという、贅沢なデザインの指輪もあります。しっかりとした存在感のある豪華なスタイルです。
カット
ダイヤモンドといえば、伝統的にラウンド・ブリリアント・カットが施されているのが一般的です。丸い形にカットされ、ダイヤモンドが持つ自然の美しさを表現させるのに一番適したカット法です。
四角い形にカットされた、プリンセス・カットも結婚指輪に使用されています。
プリンセス・カットの指輪は、ハリー・ウィンストンやティファニーでも販売されており、その華やかな雰囲気が評判の人気アイテムです。個性的な装いを楽しみたい方に大変愛されています。
クラリティー
婚約指輪ほど目立たないとはいえ、結婚指輪はやはり毎日着けるものです。後悔しないように、ダイヤモンドの質にはこだわりたいものです。特にクラリティー(透明度)の良いものを選ばれることをお勧めします。
ダイヤモンドを鑑定する場合の、国際評価基準となっている4C。カラット、カラー、カット、クラリティーの4つのグレードのひとつである、クラリティーについて簡単にご説明しておきます。
ダイヤモンドの透明度を評価するクラリティーは、内外部にある内包物と傷の場所や大きさを確認して、グレード付けします。
傷が全くないフローレス(FL)が最高品質です。この品質のものを探すのは殆ど不可能と言われており、希少価値は大変高くなっています。FLから下に向かって11段階にランク分けされていますが、お勧めするグレードはVSより上のもの。VS以上の品質ですと、肉眼では傷や内包物が見えにくく、ルーペでもその発見が難しいという透明度の高いものになります。
着け心地
結婚指輪は毎日着けるものです。良質で着け心地の良いものを選びましょう。
デザインにこだわった指輪でも、結婚指輪は使い心地の良い様に作られています。
おふたりだけの指輪を
人生で最高の日に、おふたりが交換する結婚指輪。シンプルなものからゴージャスなものまで選択は人それぞれですが、好みやライフスタイルに合わせて、お互いが気に入る指輪を選ばれることが一番大切です。素材やデザイン、そしてダイヤモンドのサイズや品質によって、価格も大きく異なります。
一生使う大切な指輪。ずっと身に着けていても飽きないデザインに、永遠の輝きを放つ高品質のダイヤモンドがあしらわれた、素敵な結婚指輪を探したいですね。
ダイヤモンドの結婚指輪は、現在ではもはや定番ともいえるほどの人気アイテムです。お互いが納得できるよう、おふたりの希望をしっかり伝えあいながら、最高の結婚指輪を見つけられることをお勧めします。