ダイヤモンドと一口に言っても実は様々なカラーが存在します。今回は鑑定書で使われる基準のカラーとともに、大変貴重とされるカラーダイヤモンドについてお話ししたいと思います。
ダイヤモンドのカラーは肉眼では分かりづらく、制御された照明と観察条件の下でマスターストーンと比較して無色の度合いを見比べます。
無色に近いほど高額でグレードの高いダイヤモンドとなります。
そのランクにはDからZまであります。
カラーがD・E・Fのダイヤモンドは無色透明とされ、ダイヤモンドの中でももっとも高評価なダイヤモンドです。
ランクは違いますが、肉眼ではDとFの違いはほとんど分かりません。
G・H・I・Jはほぼ無色とされるダイヤモンド。
D・E・Fと比べればわずかに黄色味がかってるくらいです。
次にK・L・Mはかすかな黄色とされるダイヤモンドです。
この辺りだと肉眼でも黄色がかっているのが分かります。
そしてNーRは非常に薄い黄色のダイヤモンド。
SーZは薄い黄色のダイヤモンドとされます。
エンゲージリングなどに使われるダイヤモンドはH以上までのもので、日本ではFくらいまでの色が比較的好まれます。
KーZは黄色が肉眼でも分かりますが、高額で取引されるイエローダイヤモンドとはまた別です。
アルファベットで評価されるダイヤモンドはあくまでも無色透明を評価基準とされるダイヤモンドで、高額で取引されるイエローダイヤモンドをはじめとするカラーダイヤモンドは、また別の評価基準が存在します。
ここから先は、希少性の高いカラーダイヤモンドについてお話しします。
カラーダイヤモンドとはその名の通り色のついたダイヤモンドです。
美しい鮮やかなカラーダイヤモンドは滅多に市場に出回らないために高額で取引されます。
・レッドダイヤモンド
存在すら知らないという方がほとんどと言われる大変希少なダイヤモンド。
希少なピンクのダイヤモンドから選別されるカラーなので希少中の希少なダイヤモンドです。
ピンクのダイヤモンドの色合いが深くなりレッドと評される特殊なカラーダイヤモンドで、鑑定書の評価基準では「Fancy Red」、「Fancy Purplish Red」「Fancy Orangy Red」の3種類が存在しますが、レッドのダイヤモンドがある訳ではありません。
・ブルーダイヤモンド
カラーダイヤモンドの中でも、群を抜いて希少性の高いダイヤモンドはレッドダイヤモンドですが、それに続くのがブルーダイヤモンドです。
淡い色のブルーダイヤモンドはまだ目にすることもありますが、鮮やかなで濃いブルーのダイヤモンドのほとんどがカラー処理されたダイヤモンドです。
もし1カラット以上の天然のブルーダイヤモンドを目にしたなら、今後2度と目にすることがないかもしれないほど希少なのがブルーダイヤモンドなのです。
・ピンクダイヤモンド
ブルーダイヤモンドと同様に評価が高いのがピンクダイヤモンドです。
1カラット以上の大粒で天然のピンクダイヤモンドは滅多に採掘されないと言われています。
ブルーダイヤモンドと同様に淡いピンクのダイヤモンドは目にすることもありますが、鮮やかで深いピンクのダイヤモンドは殆ど目にすることが出来ません。
淡いピンクのダイヤモンドも人気が高くしばらくの間は高額で取引され続けると言われています。
・オレンジダイヤモンド
鮮やかなオレンジ色のダイヤモンドはパンプキンダイヤモンドと言われ、こちらも大変貴重なオレンジダイヤモンドです。
イエロー系からブラウン系まで幅広い色合いが存在し、それぞれの色にはコニャックダイヤモンド、シャンパンダイヤモンド、ダージリンダイヤモンド、マンダリンダイヤモンドと呼ばれています。
ちなみにコニャックからマンダリンに行くほどブラウン系からオレンジ系にちなんだ名前になっています。
・イエローダイヤモンド
ここまで紹介したカラーの中でも1番多く目にできるのがイエローダイヤモンドです。
ここでいうイエローダイヤモンドはアルファベットで評価されるものではなく、「Fancy Yellow」などといったカラーダイヤモンドに付けられる評価カラー名のついたダイヤモンドを指します。
カナリーダイヤモンドと呼ばれるダイヤモンドは価格も飛び抜けており、無色透明のダイヤモンドよりも高額で評価されています。
・ブラウンダイヤモンド
イエローダイヤモンドと同じく比較的安価で手に入るのがブラウンダイヤモンドです。
日本では無色透明のダイヤモンドの評価が高く、イエローやブラウンダイヤモンドは粗悪品だという印象が強いようですが、最高級のブラウンダイヤモンドはコニャックダイヤモンドと呼ばれ、コレクターの中でも人気のカラーダイヤモンドです。
また、ブラウンダイヤモンドではなく色調でブラウニッシュイエロー、ブラウニッシュピンクと評されることもあります。
・ブラックダイヤモンド
ブラックダイヤモンドは多く目にしてカジュアルなジュエリーにも使われていますが、そのほとんどがカラー処理されたダイヤモンドです。
天然のブラックダイヤモンドは殆ど出回らない大変希少なダイヤモンドです。
ダイヤモンドが黒くなる原因は黒くて細かい内包物があるためと言われ、カーボンと呼ばれる黒色の内包物が大量にあり黒く見えます。
殆どのものが光を通さず、不透明です。
・グリーンダイヤモンド
天然のグリーンダイヤモンドは大変希少で殆ど出回りません。
色の起源が天然か処理かの判定が難しい色合いで、グリーンダイヤモンドの30%ほどは天然か処理か判定不能で鑑定できないと言われています。
グリーンダイヤモンドで人気のアップルグリーンダイヤモンドというものがありますが、殆どがカラー処理されたダイヤモンドです。
黄緑色に見えるダイヤモンドの鑑定を取るとGreenish Yellowと呼ばれる最後の色調がイエローとなっているものがありますが、これはイエローダイヤモンドとなります。
見た目はとてもよく似た色合いでも価値は大きく開きがあります。
最後の色調がGreenとなっているものがグリーンダイヤモンドですので、間違えないようにしましょう。
・バイオレットダイヤモンド
バイオレットダイヤモンドもかなり希少なダイヤモンドです。
希少さはレッドダイヤモンドに並ぶほどはです。
青よりの紫、青紫色がバイオレットダイヤモンド。
赤より紫、赤紫色がパープルダイヤモンドと呼ばれます。
パープルダイヤモンドはパープルに見えても鑑定を取るとピンクダイヤモンドとされたり、深い色合いだとディープではなくブラウニッシュに評価されることもあります。
・カメレオンダイヤモンド
温度や光で色が変わる大変珍しいカラーダイヤモンドがカメレオンダイヤモンド。
変色を見せる宝石は光をあてる変色を見せるアレキサンドライトが有名ですが、アレキサンドライトは自然な光(太陽光など)で一時的に変色するのに対し、カメレオンダイヤモンドは温度や人工的な光の刺激によって一時的に変化します。
一般的なカメレオンダイヤモンドは通常時がオリーブグリーンやグレイッシュグリーン系で変化後は淡いレモンイエローやオレンジイエロー系になります。
アレキサンドライトと同じく個体によって美しく劇的に変化するものもあれば、変化の分かりづらい淡い変化など、カラーチェンジの度合いに差がありますが、とても幻想的な魅力のあるカラーダイヤモンドです。
いかがでしたでしょうか?
ダイヤモンドといえば無色透明なものに価値があり、高級で資産になると思われがちですが、実はとてもたくさんの色が存在します。
人とはちょっと違う魅力が好みな方には是非カラーダイヤモンドの魅力に触れていただきたいです。