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プラチナの特徴って?あまり知られていない歴史についてもご紹介!

プラチナは結婚指輪や婚約指輪などといったマリッジリングにもよく使用される金属です。しかしこのプラチナがどのような特徴を持つかなどということはそれほど知られていないようです。そこで今回はそんなプラチナに関する情報をまとめました。

プラチナの歴史1

プラチナの人類の関わりは非常に古く、利用され始めたのは紀元前1200年頃にまでさかのぼると言われています。現在発見されている最古のプラチナ品は、紀元前700年頃のエジプトの女性神官、シェペヌペットの墓から出土した化粧箱です。この箱はテーベの小箱と呼ばれ、箱そのものは金と銀でできているのですが、表面に象嵌細工(金属を埋め込んで模様や文字を書く加工法)でプラチナが使用されています。現在はこのテーベの箱はルーブル美術館が所蔵しています。また、南米でも古くからプラチナは装飾品として使用されており、始まりは紀元前100年頃であるとされています。しかしプラチナは加工するのが難しい金属とされており、エジプト、南米においても古代の人がどうやってこの金属を加工したかについては、未だに謎に包まれています。

プラチナの歴史2

中世以降になると南米にはスペイン人などの入植者がやって来ます。彼らはプラチナも発見したのですが、金や銀と同じような価値をプラチナ見出さず、小粒銀=プラチナという蔑称で呼びました。彼らはこの金属に価値を見いだせずそのまま投げ捨ててしまうこともあったそうです。なぜこのような名前をつけたかと言えば、プラチナは金属としての融点が高く、金や他の金属に比べて溶けにくく、装飾品などに加工することが非常に困難だったからです。しかし皮肉なことにスペイン人達がつけたこの蔑称がこの金属のそれからの呼び名となってしまったのです。プラチナがスペイン人達に好まれたかどうかは別として、1735年頃にスペインの将校が南米のピント川という場所でプラチナを発見し本国へ持ち帰り、プラチナはヨーロッパの地を踏むことになったのです。

その後、プラチナは1751年にスウェーデンの科学者によって金属として正式に分類され、その価値を徐々に認められ始めるようになりました。1780年代のフランスなどではルイ16世に「王にふさわしい金属」と讃えられました。ルイ16世が作らせた有名なプラチナ製品として、プラチナ製の砂糖壺があります。

1789年にはプラチナでできた聖杯がローマ法王に献上されたり、スペイン王カルロス4世によってプラチナの間という部屋が作られたりもしました。この宮殿にあるプラチナの間は、同じく城内に存在した黄金の間と同等の規模、もしくはそれ以上の広さを持っていたとされています。このようにプラチナは西洋の王侯貴族に愛され、その価値を見出されたと言えるのです。

1803年にはプラチナの精錬、加工技術が進み、ヨーロッパで本格的に産業利用されるようになりました。ちなみにプラチナの装飾品を初めて手掛けたのは、現在でも時計やジュエリーの高級ブランドとしても有名なカルティエの名前でも有名な、宝石商のルイ・カルティエです。アールヌーヴォーや、アール・デコなどといった、宝飾品が盛んに作られた時代にはプラチナの名品も数多く生み出されました。

プラチナはどんな特徴のある金属か、ホワイトゴールドとの違い

ではプラチナは具体的にどんな特徴のある金属なのでしょうか。まず一つめは酸、アルカリなどに非常に強く、ほとんど錆びや変色のない素材であるということです。前述したテーベの小箱やアメリカの先住民の装飾品などは、先人がそういったプラチナの価値を理解して作られたのかもしれません。二つめは非常柔らかいということでしょう。このことからプラチナは曲げたりすることが容易なため、デザイン性のあるリングや個性的な宝石セッティングなどを施すことができます。

また、見た目が似ているのがホワイトゴールドという金属ですが、どのような違いがあるのかというと、まずアクセサリーの使われることは多い、プラチナ900という割合の金属の場合、プラチナの他に10%の他の金属を混ぜたものですが、K18(18金)のホワイトゴールドの場合、純金に他の金属を混ぜ、耐久性、色なども白色に近づけている物ということになります。つまりは元々の金属としての種類が全くの別物であるということなのです。さらにプラチナとホワイトゴールドでは長年使用しているアクセサリーの経年変化による違いもあります。この二つはどちらも金属メッキが施されていますが、長年使用して表面のメッキがはがれた場合、プラチナの方は見た目にほとんど変化がありませんが、ホワイトゴールドの方はやや金色がかった地金が分かるのです(再メッキ可)

なぜブライダルシーンにはプラチナが使われることが多いのか

プラチナは結婚指輪や婚約指輪などでよく贈られることが多い素材です。理由としては、プラチナの持つ白い輝きが神聖な色や花嫁の白を思わせることや、金属の特徴として錆びない、経年による劣化がないことなどから、永遠に変わることのない愛にふさわしいとされます。また、希少な金属なので世に代わるもののない愛もイメージさせるとされています。さらには、ダイヤモンドをより美しく見せる金属であること、シンプルな見た目なのでシーンを選ばず身に付けやすいことなどもブライダルリングなどに選ばれる理由のようです。

プラチナの値段や価値はどのくらい?

金属の値段はその時によって変化しますから普遍的なものではありませんが、プラチナは一般的にシルバーよりも高価であり、金とは場合によっては同等、もしくはその希少性により、それ以上の値段や価値がある場合もあります。

海外ではプラチナよりもホワイトゴールドが人気?

あまり知られてはいないことですが、中国に次ぎ、プラチナを好むのは日本であるとされています。ヨーロッパやアメリカなどの欧米諸国ではどちらかというと、プラチナよりもホワイトゴールドが用いられることが多いとされています。

プラチナの純度(Pt)について

プラチナの純度はPtというもので表されます。一番純度の高い物、つまり純プラチナはPt1000(プラチナ100%)次いでPt950(プラチナ95、0%)ですが、宝飾品としての価値はあるものの、純度の高さゆえに非常に柔らかく傷つきやすいので、一般的にはあまり用いられません。宝飾品に用いられることが多い純度はPt900(プラチナ90、0%)Pt850(プラチナ85、0%)などです。

プラチナを購入する時に気をつけるべきこと

プラチナ製品を購入する際に知っておきたいこととしては、一般的にプラチナを装飾品などに使用している場合、指輪なら内側にプラチナの使用表示であるPtが刻印されていることが非常に多いということです。(稀にない場合もある)また、昔はpmと表記されていたこともありました。この場合、純度はPt850相当であるとされています。この表記は法律で定められたものではありませんが、いろいろな場所でプラチナ製品を見極める知識として知っておいた方がよいでしょう。

まとめ

いかがでしたか?プラチナという金属については、流通の多さに反して意外にも知られていない知識が多くありました。ぜひ、今回の記事を読んでプラチナ製品を選ぶ参考にしてみてください。

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