婚約指輪や結婚指輪で人気の高いプラチナ。
高級感のある白い光がワンランク上の女性を演出してくれます。
今回はプラチナの純度や特徴についてお話ししたいと思います。
プラチナの純度
プラチナにはPT1000、PT950、PT900、PT850と分かれています。
それぞれの数字は純度を表します。
純度とは、プラチナの含有率のことで、数字が小さくなるほど純度が低くなります。
例えばPT1000は99.99%プラチナで、PT950は95%のプラチナが含まれています。
残りの0,01%、5%にはパラジウムやルテニウムといった金属が混ぜられています。
現在では100%プラチナというものは存在しないとわかり、それからは純度が99.99%のものはPT999の表記に変わりました。
また、日本では85%以下の純度はジュエリーと認識されない為、PT850がプラチナの最低ラインなのだと覚えておくと選択肢が広がりそうです。
ちなみにK18と表記されるゴールドは75%の純度です。
純度の違いから日本ではプラチナをマリッジリングに選ぶ傾向が高いですね。
純粋なプラチナに近いPT999こそ混じりけが少なく、アクセサリーに1番理想的なのでは?と思われるでしょうか。
プラチナにプラチナ以外の金属が混ぜられる理由の一つに硬度があります。
プラチナ本来は柔らかい金属で黒っぽい白色で希少性は高いのですが、耐久性や色味が日常的に負荷のかかり易いアクセサリーには向いていません。
その為、他の金属を混ぜ純度を下げたものが使われ、負荷のかかりやすいリングでは特にPT950やPT900が使われることが多いのです。
プラチナのアクセサリーを選ぶメリット
プラチナのアクセサリーで特徴的なのは変化の少なさです。
経年劣化が少なく変形や変色しにくい素材なので長く美しい状態を保つことができます。
元々柔らかい金属なので加工し易く様々なデザインが豊富なのも魅力の一つです。
サイズ変更などもし易いので、気に入ったデザインなのにサイズがない!なんて時にもサイズ変更を受け付けて貰い易い金属です。
白い光を放つプラチナと似た色味の金属にホワイトゴールドがあります。
ホワイトゴールドはプラチナよりも強度が高い特性があります。
実はプラチナもホワイトゴールドもどちらもロジウムという金属でメッキ加工が施してあります。
プラチナはアクセサリー様に加工する際にパラジウムやルテニウムといった白い金属と混ぜて白くする為メッキが剥がれても目立ちにくいのですが、ホワイトゴールドはシャンパンゴールドに近い金属に白色の金属でメッキ加工を施してホワイトゴールドにしている為、経年劣化などによるメッキの剥がれが原因で変色したように見えてしまうこともあります。
メッキはもう一度かけ直すことも出来ますが、このような変色がなく長年楽しめるのはプラチナの特徴だと言えます。
実はプラチナはどこでも採れる金属でなく、産地はごく一部に限られています。
そして携帯電話などの工業製品にもニーズの高い材料なので、他の金属よりも希少性が高い傾向です。
その為、プラチナのアクセサリーも高く価値が安定して評価され、査定価格も大きく上昇します。
資産として所持するのにも価格が安定しているので安心ですね。
ちなみにリユース業者などでの買取では、純度が高いほど査定価格が高額になります。
ですが、PT1000のアクセサリーは滅多になく、多くはPT950のもの。
ニーズもあるのでPT950は査定も高く見て貰えます。
新しいジュエリーが欲しいならまずは家で眠っているプラチナジュエリーをリユース業者で査定してもらうのもいいかもしれません。
肌が弱い人や金属で肌荒れを起こしてしまう、金属アレルギーが起こりにくいのもプラチナの特徴で、夏場の汗ばむ時期にはプラチナをつけるようにすると、アレルギー症状はもちろんですがプラチナなら汗や塩分による劣化にも強い為、より長くお楽しみ頂けるのでオススメです。
プラチナのアクセサリーを選ぶデメリット
メリットがあればもちろんデメリットもあります。
ここからはプラチナのアクセサリーのデメリットをお話ししましょう。
プラチナは柔らかい金属だと何度か出ていましたが、例えPT900であってもじわりじわりと力が加わるとリングなどは変形を起こしやすいです。
また先に説明のあった純度にも関係しますが、婚約指輪や結婚指輪に使うプラチナには、より純粋なプラチナを選びたくなります。
ですが、婚約指輪や結婚指輪はファッションリングとは違い、何十年も連れ添うもの。
PT999のように純度の高いプラチナを地金で選んでしまうと、あっという間に傷が付き光を失いくすんでしまいます。
特に結婚指輪のようにデイリーユースに身につけるアクセサリーに選択する場合はPT950以下のものを選ぶのが最適です。
プラチナは世界中で人気?
ここまで安定して高価で敷居の高い印象のプラチナですが、世界的に見てもジュエリーで1番人気な素材はプラチナなのでしょうか?
その答えはノーです。
プラチナの人気がここまで高いのは実は日本だけです。
世界的に見てもプラチナが高価なことに変わりはありませんが、大半は工業用の金属としての需要でジュエリーとしての需要は1番多いアメリアでもせいぜい3,5%です。
それに比べ、日本は世界一のプラチナ消費国です。
婚約指輪でプラチナが人気なので分かりますが、宝飾用の割合が60%と圧倒的な高さでいかに日本人がプラチナを支持しているかがわかる数字です。
では世界的にはどの金属が人気なのでしょうか?
それは、ホワイトゴールドやイエローゴールドです。
実のところ、日常的に使うのに傷も変形もしにくいゴールドはアクセサリーに最適な金属です。
なのに日本ではプラチナを支持するの?と疑問に思いますよね。
この原因は少し時代を遡ります。
ジュエリーが普及し始めた当初の日本と海外ではジュエリーの生産方法に差がありました。
日本ではプレス機にかけて大量生産をし、まるで工業用製品を作るかの様な制作過程でした。
その方法ではホワイトゴールドはとても扱いづらい金属なのです。
海外ではジュエリーはハンドメイドで仕上げるのが主流だったために、日本では扱いづらかったゴールドを美しいジュエリーに仕上げることが出来ました。
その名残で日本ではプラチナ、海外ではゴールドと定着したのです。
とはいうものの、現在でも日本でプラチナ支持が引続くのは昔の製造過程の理由のみならず、白い光を放つプラチナの控えめでピュアな魅力が日本人の好みにぴったりで支持され続けていることが大きいです。
プラチナのお手入れ方法
ほとんど変色することがなく、白く輝き続けて永遠を思わせるプラチナはお手入れ方法もとても簡単です。
日常的なお手入れは着用後、柔らかい布で拭くだけで大丈夫です。
気になる汚れがある様でしたら、中性洗剤をぬるま湯に少量溶かして少しの時間浸けておきます。
細かい装飾部分には柔らかい歯ブラシなどで優しく磨き綺麗な水でしっかりとゆすぐと白い輝きが戻ります。
ダイヤモンドなど無色透明の石には影響が少ないですが、アメジスト、サファイヤやエメラルドなどのカラーストーンの中には水や洗剤につけると変色する恐れがありますので、お手入れの前には必ず確認してから行うようにしましょう。
いかがでしたでしょうか?
美しい宝石を支える地金ですが、その金属本体の輝きも美しく、ストーンのないジュエリーもとても魅力的です。
それぞれの金属の特性を知ることで、自分にとってより相性の良いジュエリーを選べるのではないでしょうか?
素敵なジュエリーとの出会いのお手伝いが出来れば嬉しいです。