耳元のアクセントに、さりげなく光るダイヤモンドピアスが欲しい!でも、いざ購入するとなると、色々と迷ってしまうものです。ダイヤモンドも大きさも様々だし、デザインもそれぞれ。ひとつひとつを良く見てみると、ダイヤモンドのセッティングの仕方も違うみたい。セッティング法によって、ピアスのデザインや見た目もかなり変わるようです。小さくでも、お顔の両側でキラリと輝くダイヤモンドピアスは、お顔の表情に華を添える大切なパートナー。こちらでは、そんなダイヤモンドピアスの異なるセッティング法について、お伝えしていきます。
ダイヤモンドのセッティングって何?
セッティングとは、ダイヤモンドなどの宝石がジュエリーから落ちたり傷ついたりしないために、金属の爪などでしっかりと支えるためのものです。セッティングの方法によって、ダイヤモンドに光が反射して美しく輝いたり、摩擦や衝突などによる傷から守ったりする、などの役目を果たしています。
ダイヤモンドが一粒だけの場合や、パヴェなどのように沢山散りばめられたもの、他の宝石とミックスされた時など、ジュエリーのデザインによってもセッティング法は異なります。特にサイズの小さなピアスなどは、普段耳たぶにつけているので、セッティングなどをあまり気にすることがないかもしれません。しかし良く見てみると、それぞれが個性的で宝石の魅力を考慮した方法で取り付けられていることが解ります。
ダイヤモンドなどの宝石を支える部分を爪(プロング)と言い、その爪の元となり、しっかりと宝石を指輪に固定する部分を台座(マウント)と言います。
ダイヤモンドピアスのセッティングの種類
では、ダイヤモンドのピアスには、どの様なセッティング法が使われているのでしょうか。こちらでは、ひと粒タイプから、エタニティタイプ、メレダイヤなどのデザインにわけて、それぞれ代表的なものをご紹介していきます。
ひと粒ダイヤモンドのセッティング法
プロング・セッティング
立て爪と呼ばれるダイヤモンドを持ち上げる方法で、最も一般的なダイヤモンドのセッティング法です。婚約指輪のソリティアに使われている形で、ティファニー社がデザインを発明したことから、ティファニー・セッティングとしても知られています。6本の爪でダイヤモンドを高い位置に持ち上げるので、光が各方向から入り込み、内部から美しい輝きを反射します。
ピアスに使用される立て爪は、6本の爪のみでなく4本や3本といったものも人気です。爪が少ないものは、その分宝石の表面が目立つので光沢が大きく見えます。ただ、支えている部分が少ないと、爪の無い部分にキズがつきやすくなるなどのマイナス面もあります。
ベゼル・セッティング
ダイヤモンドの周りを、ぐるっと一周金属で囲む方法です。こちらも大変一般的で、人気のあるセッティングです。立て爪と比べると、周りからの光を上からしか吸収する事が出来ないので、輝きには差が出ます。しかし、周囲をプラチナや金などの素材で完璧に保護されているので、洋服や髪にひっかけたり衝撃を与えてしまう、などといったトラブルを避ける事ができます。
ベゼルセッティングは、ダイヤモンドのサイズを隠してしまって、小さく見せてしまうのでは、と心配されるかも知れません。しかし、実は逆なのです。小さなサイズのダイヤモンドなどは、ベゼルで覆ってしまうことにより、プラチナやホワイトゴールドなどの白色と協調して、大きく見えるという効果があるのです。
クラウン・セッティング
台座の底が平らでしっかりとしたもの。横から見ると王冠(クラウン)の様に見えることから、こう呼ばれています。縦の長さと立体感があるので、小さくても豪華に装う事が出来ます。
並爪
定番として一般的に使われている方法です。台座の底が平らで、太い爪を使用しています。立て爪ほど高い位置ではなく、普通のデザインなので並爪と呼ばれるようになりました。
角爪/箱爪
箱みたいな四角い形をした台座から、爪が伸びて宝石を支えます。サイズの小さな宝石に使うと、爪からの光沢によって石が大きく見える効果があります。
ミルククラウン
ミルクのしずくをポトリと一滴落とした様な、丸い先端が可愛い形の爪です。
先端が丸い爪と台座全体を横から見ると、王冠(クラウン)の様にみえることから、こう呼ばれています。
エタニティタイプのセッティング法
チャンネル・セッティング
レール留めとも呼ばれる方法です。線路やカーテンレールといったものを想像してください。ふたつのレールの間にダイヤモンドを並べて敷いて行ったもので、一列に整列された宝石は、エタニティリングなどに良く使用されています。ピアスの場合には、フープ型や、ロング型として使用されています。爪が無く均一の取れた高さなので、美しい輝きを放ちます。
ラウンドブリリアントカットを始め、プリンセスカットやバゲットカットのダイヤモンドにも向いています。この方法でセッティングされると、宝石が保護されるので、落ちたり傷が付いたりという心配がありません。
共有爪
こちらもエタニティのように、数粒のダイヤモンドを配する場合に用いる方法です。こちらは、爪ひとつで両サイドの宝石を留める方法です。爪が少ない分、ダイヤモンドの輝きが増します。こちらもフープタイプのピアスに使用されています。
メレダイヤに用いられる方法
線爪
爪の断面が丸くなっているものです。丸線爪とも呼ばれています。ラウンドカットのみならず、マーキスやバゲットなどのファンシーカットにも使用されています。
板爪
線爪よりも太く、板のような爪が特徴です。大きいので、小さなメレダイヤをしっかりと固定することができます。
割り爪
箱型に切り込みを入れて、立て爪を小さくしたような形のものです。主にラウンドカットに用いられます。
彫り留め
地金にそのままダイヤモンドを埋め込むデザインです。プラチナや金などの素材に穴を開けて、メレダイヤを埋め込みます。その周りを彫り起こして留めていくという、長い時間と高い技術を必要とする方法です。
彫り留めには、円形に彫るチョコ留め、四角い形を彫るマス留め、地金を小さなアワの粒のようにして留めるアワ留め、そしてメレを敷き詰めたパヴェセッティングなどといった種類があります。
どのセッティングを選べば良いの?
ご紹介した通り、ピアスといっても多様なデザインとセッティング法があります。ダイヤモンドのピアスを選ぶ場合、どれにしようか迷ってしまうのは当たり前かもしれません。
ダイヤモンドの美しさを楽しみたいなら、爪で支えるタイプです。プロング(立て爪)は輝きを最高に見せるので、表情に明るさを添えます。定番スタイルであり、シンプルなのに豪華さを演出できるスタイルです。
髪に引っ掛けたり、傷が付かないかと心配、という方にはベゼルセッティングがおススメです。ドロップタイプのピアスや、ベゼル部分にミル打ちや模様が施されたピアスなどもあるので、立て爪とは違ったお洒落も楽しめます。
キラキラとした輝きや、揺れる動きを楽しみたい方には、エタニティタイプやパヴェタイプのピアスがおススメです。ショートヘアや、アップスタイルにもピッタリのスタイルで、パーティなどのフォーマルな場面でもパッと映えます。
まとめ
よく見ると、ダイヤモンドピアスのセッティング法って、こんなに違うのです。ダイヤモンドピアスを購入する前には、拡大写真などを良く見て確認してみましょう。どんなセッティングがされているかを見てみると、ピアス選びもより一段楽しくなりますよ。