ダイヤモンドジュエリーの魅力
ジュエリーの魅力。それは「ダイヤモンドジュエリーの魅力」と言ったら言い過ぎでしょうか。宝石の種類は、色とりどりたくさんありますが、無色透明のダイヤモンドは、ジュエリー界の「絶対王者」と言えるような不動の人気があります。その魅力はどこにあるのでしょうか?
ダイヤモンドジュエリーの歴史
ダイヤモンドの歴史は遠く昔にさかのぼり、紀元前4世紀にインドで発見されたと「旧約聖書」に書かれています。ダイヤモンドの語源は、ギリシャ語の「アダマス=征服しがたい」に由来しています。地球上で一番硬い鉱物であるということを意味するのです。和名の「金剛石」も仏典に由来し、何物にも侵されない硬さを物語っています。
しかしその長い歴史の中で、ダイヤモンドが今のようにもてはやされるようになったのは、ここ数百年のことです。ダイヤモンドは原石のままではあまり光らないので、昔はエメラルド、サファイア、ルビーなどの美しい色石の方が大切にされていました。ダイヤモンドを研磨する方法が見つかり、ダイヤモンドが持つ輝きを最高に引き出してくれる「ブリリアントカット」が発明されて以来、ダイヤモンドは宝石の王者に君臨し、人々を魅了するようになりました。
有名なダイヤモンド
<カリナン>
1905年南アフリカで発見され、カット前の原石は3106カラットありました。これをカットすることで合計1063カラット、105個のダイヤモンドを作ることができました。当時のイギリス国王エドワード7世に献上されています。
<ザ・ゴールデン・ジュビリー>
現在、研磨されている世界最大のダイヤモンドは「ゴールデン・ジュビリー」と呼ばれるものです。この石は545.67カラットあり、国王ラーマ9世の治世50周年の記念に、1997年タイ王室に献上されました。
<グレート・ムガル>
フランスの宝石商ダニウェルニエの旅行記に、伝説のダイヤモンドがあったと記されている。その石の大きさは原石の状態で787.50カラット。それが事実なら世界最大のダイヤモンドだということになります。ところが、ベニスから呼んだカット職人がカットに失敗し、280カラットになってしまったそうです。
<リージェント>
インド産でわずかに青みを帯びたダイヤモンドで、140.64カラットあり、ルーブル美術館に収蔵されています。「グレート・ムガル」をカットしたものではないかと考えられています。
<フレロンティン>
インド産のイエローダイヤモンドで、137.27カラットあります。長年トスカーナ大公の家に所蔵されていましたが、その後所有権がハプスブルク家に移りました。ハプスブルク最後の皇帝が、帝政崩壊の時に持ち逃げしたあとは、行方不明となっています。
ダイヤモンドの4Cって?
ダイヤモンドの品質を測る指標として、GIA(米国宝石協会)が考案したのが「4C」です。カラー、クラリティ(透明度)、カット(研磨)、カラット(重さ)を評価し、鑑定書を作成します。この「4C」のグレードの高さが、ダイヤモンドの魅力の大きな要因の一つです。
独特な「ダイヤモンドの輝き」
ダイヤモンドの輝きは、ほかの宝石にはない、独特の三つの光があります。この三つの光を、最大限に引き出してくれるカットの方法が、ダイヤモンドのほとんどを占める「ブリリアントカット」です。
<シンチレーション> ダイヤモンドのカットの表面で反射する光。
<ブリリアンシー> ダイヤモンドに入った光が幾重もの内部反射を経て中心に集まった光。
<ディスパーション> ダイヤモンドの中に入った光が、光のスペクトルに分解され虹色に輝く光。
普段使いできる、ダイヤモンドジュエリー魅力
上記で、有名なダイヤモンドをご紹介しましたが、だれもが身に着けられるダイヤモンドジュエリーの魅力は、どんなところにあるのでしょうか?
- 無色透明なので、どんな服装でもコーディネイトしやすい。
- シンプルでさりげない感じにも、華やかでゴージャスな感じにもできる。
- 普段使いでも、かしこまった場面でもパーティでも使える。
- バリエーション豊富で、大き目な一粒石のジュエリーも、小さなメレダイヤを複数組み合わせたジュエリーもある。
- 貴金属との相性もとてもよく、プラチナにもゴールドにも合う。貴金属とダイヤモンドのお互いの長所を引き立てる。
- とても硬く、汗や熱にも強いので、お手入れが簡単で扱いやすい。
- 加工しやすいので、デザイン性に優れたジュエリーを作ることができる。
- 永遠に輝き続ける。これ以上硬いものはないので、カットし研磨され、一度輝きを得ると永遠に輝き続ける。
- お祝いや記念にぴったり。結婚指輪や婚約指輪、誕生日や記念に、永遠に残るダイヤモンドジュエリーは最適。
- リフォームがしやすいので、受け継ぐことができる。デザインに飽きてしまった、お母さんやおばあちゃんから譲り受けた、という場合に、自分の好みのデザインにリフォームすることができる。
ダイヤモンドジュエリーができるまで
一例として、指輪ができるまでを簡単にご紹介します。
<企画、デザイン>一生大切にしてもらえるようなジュエリーを作るために、コンセプトを考え、デザインを決めます。
<原型づくり>デザイン画をもとに平面から立体へ。微細な調整を重ねながら、シルバーの原型を作ります。
<ゴム型製作とロウの原型づくり>シルバーの原型が出来上がったら、鋳造の準備をします。シルバーの原型を使って、シリコンゴムの型を作ります。この型にロウを流し込んで固め、ロウの原型を作ります。ロウ型が、実際のジュエリーの原型になります。
<石膏型づくりと鋳造>ロウ型を入れた筒に石膏を流し込み、石膏型を作ります。電気炉でロウを溶かし、石膏型の中が空洞になったら、鋳造に進みます。
<石の選定>実際に指輪に使う石を選びます。石に欠けや傷がないか、チェックしながら石の選定をします。
<石留め、仕上げ磨き>鋳造から上がってきた枠(まだ石が入っていない状態の指輪)の地金の余計な部分を削り、ブラシやフェルトで磨きます。石留めをして、再度何種類かの研磨剤を使い、仕上げ磨きをします。
<検品>ルーペやピンセットを使い、傷がついていないか、石がしっかりと留まっているかなどを検品します。
ダイヤモンドジュエリーのお手入れ方法
ダイヤモンドは、水にも洗剤にも強いので次の方法でお手入れできますが、宝石の中には刺激に弱いものもあるので注意が必要です。
<毎日のお手入れ>
一日身に着けてジュエリーをはずすときには、柔らかい布で拭きましょう。きれいに見えても、ほこりや油汚れが意外とついているものです。汚れが蓄積しないように、毎日少しのお手入れが肝心です。ハンカチなどでもいいのですが、ジュエリーを磨くにはセーム革のクロスが適しています。
<おうちでしっかりクリーニング>
- 容器にぬるま湯と少量の中性洗剤を入れ、よく混ぜます。
- そこにジュエリーを入れ、つけておきます。汚れが浮き上がってくるのをしばらく待ちます。
- 柔らかい歯ブラシなどで、ジュエリーをやさしくこすります。
- きれいな水で洗剤と汚れを洗い流します。
- 柔らかい布でしっかりと水分を拭き取ります。
<超音波洗浄機を使って>
超音波洗浄機を使ってジュエリーをきれいにします。超音波で無数の気泡を発生させ、その気泡がはじける衝撃で、汚れを落とします。ブラシや流水では落ちない汚れまで落とすことができます。
ダイヤモンドジュエリーの魅力や特性をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。ダイヤモンドも貴金属も、太古の大自然からの贈り物です。膨大な時間とたくさんの工程を経て、今の姿になってわたしたちのもとにやってきてくれました。時空をも超えた壮大なロマンを感じますね。