ダイヤモンドの評価

ダイヤモンドのクラリティ評価の違いとは?

鑑定書におけるダイヤモンドの4Cのクラリティグレードでは、その評価が何段階かに分けて詳しくグレーディングされています。ダイヤモンドの透明度を表すために大切なクラリティの評価。その一段階ごとの評価がどれ位の透明度なのか、クラリティはどれほど大切なものなのか…などなど。今回は、ダイヤモンドの鑑定書に書かれているクラリティについてお伝えします。

クラリティは透明度を評価する基準です。

ダイヤモンドは、肉眼で一目みただけでは全くの透明で無傷のように見えます。しかし、10倍の大きさで見えるルーペやさらに拡大して見える顕微鏡などで観察すると、内部には小さなインクルージョン(内包物)があったり、外部にも小さな傷や欠けた部分が見つかったりします。

このようなインクルージョンが、ダイヤモンドの真ん中にある、横にある、大きい、小さい、または傷や欠けがどれ位の大きさかなどによって、クラリティの評価が決定されるのです。

鑑定書のグレーディングでは、完璧な無傷透明のF(フローレス)が最高級のもので、VVSI,VSI,SIと下がって行き、最後には肉眼でも欠陥が簡単に見つけられるIの評価まで下がります。

完璧なフローレスという評価が下されるダイヤモンドは、大変希少価値が高く、市場にはめったに出回っていません。一般的にジュエリーとして出回っているのはVVSIや VSIといった評価のものです。

クラリティ評価が出来た理由

4CというダイヤモンドグレーディングはGIAが定めたもので、現在では国際的評価基準として定着しています。クラリティ評価がまだ無かった昔、宝石業界ではピケやルーペクリーンなどといった用語を使って、ダイヤモンドの透明度を表現していました。こういった表現の誤解を無くすために作られたのがGIAのグレーディングシステムです。このシステムが開発されて以来、世界中どこへ行ってもフローレスやVVS1などといった表現が統一されて使われるようになったのです。

グレーディングのランクは細かく分けられていますが、ほとんどのインクルージョンや傷は肉眼では見えにくいため、宝石鑑定機関で訓練を受けた資格保持者や熟練した経験者でない限り、その判別は困難を極めます。

インクルージョンが非常に微細な場合は、10倍のルーペで発見する事が難しいので、顕微鏡を使って内包物を確認します。中には熟練鑑定士でも見つけることが困難なインクルージョンもあるので、クラリティグレーディングにはより正確な判断が必要とされます。

クラリティグレードの意味

では、クラリティグレードを評価する場合それぞれのグレードではどれほどの透明度を指すのでしょうか。こちらでは、鑑定書に書かれている言葉の意味を説明します。

FL/IF 完璧といえる無傷透明で、最高級のランクです。
FL フローレス
内部と外部ともに無傷で透明。10倍に拡大して見ても傷やインクルージョンが見つかりません。
IF インターナリ―フローレス
10倍に拡大してもインクルージョンが見つかりません。肉眼では全く見えず、10倍の拡大鏡でやっと見えるかどうかといった微小の傷が見つかります。

VVS1/VVS2 内包物はほとんど無く、ごくごくわずかな程度です。
VVS1 ベリーベリースライトリ―インクルーデッド1
経験を積んだ熟練鑑定士が10倍の拡大鏡で観察しても見つけるのが難しいほどの、微小の内包物があるものです。
VVS2 ベリーベリースライトリ―インクルーデッド2
上記のVVS1よりワンランク下となります。こちらも熟練鑑定士が10倍拡大鏡で見つけるのが困難な程度の内包物があるものですが、1のものより内包物が多いものにランク付けされます。

VS1/VS2 内包物は微小でほんのわずかです。
VS1 ベリースライトリ―インクルーデッド1
鑑定士が10倍の拡大鏡で何とかインクルージョンが確認できる程度です。微細で見えにくい程度の内包物があります。
VS2 ベリースライトリ―インクルーデッド2
鑑定士が10倍の拡大鏡で見ると、微細なものですが確認できやすい内包物があります。

SI1/SI2 内包物がわずかに含まれています。
SI1 スライトリ―インクルーデッド1
肉眼でよく見ると確認できる程度の内包物があります。一般の人が10倍の拡大鏡で見ても、普通に内包物のあることが確認されます。
SI2 スライトリ―インクルーデッド2
肉眼でよく見ると、傷や内包物などがあることが確認できます。

I1/I2/I3 内包物が含まれています。
I1 傷や欠けなどが肉眼でも容易に確認することができます。 
I2/I3 I1よりも大きな傷や内包物などが肉眼で確認され、2,3の順で傷が大きくなりランクも下がります。

インクルージョンは天然ダイヤモンドの証です。

インクルージョン(内包物)とは、ダイヤモンドが長い年月をかけて作られる際に、結晶がしきれなかった炭素が残ったり他の鉱物が混ざったりするなど、何らかの理由でダイヤモンドの内部にその成長の証が残されたものです。傷や欠けも同様で、成長過程で何らかの衝撃に合ったことの証拠といえるでしょう。こういった理由から、インクルージョンや傷はダイヤモンドが地中の奥深くで生まれ育った天然のものであるという、大切な証明となるのです。

なぜなら、もしもダイヤモンドが人工であったり、インクルージョンを消すために何らかのトリートメントが施されていた場合は、天然独特の内包物が見つかるはずがないからなのです。

しかし、ダイヤモンドはインクルージョンや傷の無い透明なものほど高い価値があると評価されてきています。ジュエリーとして身に着けるのなら、やはり透明度の高いダイヤモンドの方が、光の反射や輝きがそうでないものと比べて数倍違うことがパッと見た目で解ります。

どのグレードのダイヤモンドを選べばいいの?

婚約・結婚のお祝いや、特別な記念日のプレゼント。自分へのご褒美やちょっとした贅沢としてなど、ダイヤモンドジュエリーを購入する理由は時と場合や人によってそれぞれ違います。

ダイヤモンドは耐久性があり、その輝きも永遠に続くもの。せっかく購入するなら、ずっと使えるような品質の高いものを選びたいものです。では、ダイヤモンドジュエリーを購入する場合、クラリティの評価ではどのランクを選ぶのが良いのでしょうか?

ダイヤモンドには、原石の時点で多少のインクルージョンがあっても大丈夫なのです。技術の高い職人によって、インクルージョンなどの欠点をカバーする様にカットされるからです。内包物の大きさにもよりますが、ジュエリーにセッティングされたダイヤモンドを見て、小さな内包物などが上から見ても確認しにくい場所にあるものなら、着けていても全く気になりません。

鑑定書の評価を見て選ぶ場合は、肉眼では内包物がわからないVS2以上のものがお勧めです。予算の都合で、もう少しランクを落としたい場合は、内包物がわずかに含まれ、肉眼でよく見て確認できる程度のSIまでのものをお勧めします。わずかなインクルージョンの場合は、カット技術の良さで欠点を隠すことができるからです。I1以下のグレードのものになると内包物や黒点が目立つのでジュエリーとしてはお勧めできません。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回はダイヤモンドのクラリティグレードについてお伝えしました。ダイヤモンドは内包物や傷が少ないほど透明度が高くなるので、外部から入った光を美しく反射します。通販でダイヤモンドジュエリーを選ぶ場合は、クラリティグレードの意味をしっかり理解しておくと便利です。オンラインであれこれ迷わず、良質のダイヤモンドを短時間で探すことができますよ。

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