結婚指輪や婚約指輪にも選ばれる人気の宝石、ダイヤモンド。美しくまばゆい輝きを放つダイヤモンドは、特別なものだけでなく普段使いのアクセサリーとしても群を抜いて人気があります。
ダイヤモンドというと、宝石、アクセサリーなどの宝飾品といったイメージが強いでしょう。しかしダイヤモンドは資産価値としても高いのです。プラチナや金などの貴金属が最近資産運用で話題となり、少量でコツコツと購入出来ることから興味を持つ人が増えましたが、ダイヤモンドには貴金属とは違ったメリットがあります。
今回は、ダイヤモンドが資産として成り立つのか、ダイヤモンドで資産運用を行うメリットについてをあわせてご紹介します。
人気の高い貴金属
プラチナや金も地上から採掘される、とても貴重な資源です。地球上で採掘される量は限られているため、希少性が高く人気があるので安定して高い資産価値があります。
現在プラチナや金は1g単位で取引されていますが、この金額は状況によって変動します。その上貴金属は貨幣とは違い、世界共通の価値であるため世界情勢に影響されず、ある程度一定の価値を保ち続けます。もちろん、資産として相続することも可能です。
近年、大災害や世界経済低迷のリスクを考え、資産を物品にして持つ人が増えています。現物資産として貴金属が選ばれているのです。
ダイヤモンドの資産運用
人気の高い貴金属よりも、現物資産としてダイヤモンドを選ぶメリットとは何でしょう。実はダイヤモンドはここ50年の間に、10倍にも価格が上がっています。2000年を境に上昇し続け、今なおスピードを上げて上昇し続けています。意外と知られていませんが、ダイヤモンドは現物資産にぴったりなのです。
1.重量・質量の違い
金やプラチナはグラム数で金額が変わります。ある程度高額を金やプラチナとして保管するのには結構な質量と重量になります。ということは、ある程度の保管する場所を確保しなければならないのです。
ダイヤモンドも貴金属と同じで、カラット数が大きければ大きいほど資産価値も高くなります。しかし、カラット数がさほどないダイヤモンドでも、高額な価値が付くことがあります。希少性が高く、数が限られているもの、例えば1カラットにも満たないピンクダイヤモンドは100万円以上の値段が付くこともあります。このピンクダイヤモンドはオーストラリアのアーガイル山脈のみで採集可能なとても貴重なダイヤモンド。採集可能な数が限られているため、高額で取引されているのです。
ダイヤモンドは例え4カラットあるものでも、てのひらに握ってしまえるほどのサイズですから、災害時などの持ち出しにも便利で危機管理用資産としてぴったりです。金やプラチナよりもかさばらずに、高額な現物資産になりえるのがダイヤモンドなのです。
2.価格変動の少なさ
プラチナや金は日々価格変動を起こしますが、ダイヤモンドは価格が下がらず上がる一方で安定しています。時代や世界情勢が変わったとしても、ダイヤモンドの価値は安定して推移しているのです。そして、希少性の高いダイヤモンドであればいつの時代も高い評価を得られます。貴金属よりも価格の安定性に優れているのです。
3.手軽さ
ジュエリーの状態になっているものであればダイヤモンドは買取り店舗が多く、リユース店舗などに持ち込めばすぐさま換金することができます。現物を持ち込めばほとんどの場合その場で査定価格もわかり、とても手軽です。そういったことから、危機管理用資産としてもぴったりなのです。
ただし、買取店舗での需要はあくまでもジュエリーとしてのダイヤモンドで、ダイヤモンド単体のルースだと査定金額が落ちてしまいます。
また、リユースの店舗によっては、プラチナや金の部分には査定金額が付くけれど、ダイヤモンドにはつかないなんてところもあります。1gいくらと決まった市場価格がある貴金属と違って、ダイヤモンドはそういった市場価格はありませんので査定が難しいことも一つの要因です。
ですが、すべてがそういった店舗という訳ではなく、適切な査定金額を付けてくれる確かな目を持つ買取店舗もありますので、持ち込む際にはダイヤモンドにも査定金額が付くのかを確認しましょう。
婚約指輪の資産価値は?
ダイヤモンドが施された結婚指輪や婚約指輪は、資産価値となりえるのでしょうか。例えば有名なハイブランドで作られたプラチナ地金の3カラットアップ、ハイクオリティな鑑定付きダイヤモンドリングなどであれば数千万の価値が付き買取店舗でも高額な価格査定になります。この間、中古のハリーウィンストン製で4カラットアップのダイヤモンドが付いたラウンド・ソリティア・リングで2千万の値がついていました。このレベルのものであれば、十分資産運用としての価値があります。買取店舗などでは、ダイヤモンド単体のルースの状態よりもジュエリーとしての価値が評価されます。ニーズがあるから高値が付きやすいということですね。
日本で人気の結婚指輪や婚約指輪のダイヤモンドは、0.3カラット前後のものが中心。このあたりの価値となるとそこまで大きな資産とはなりにくいです。それどころか、一度宝飾加工が施されたダイヤモンドは、その価値を10分の1にまで落とすといっても過言ではありません。カラット数の大きいものや、希少なダイヤモンド以外には価値がなくなってしまうというのが現状です。
資産価値になりやすいのは、1カラットアップのダイヤモンドが施されたもの。結婚指輪や婚約指輪を資産価値としても考えるのであれば、1カラット以上のハイクオリティな鑑定書付きダイヤモンドのものを選びましょう。
資産運用にぴったりなダイヤモンドの選び方
先ほども少し出ましたが、資産運用として適したダイヤモンドはカラットが大きく、グレードの良い、高い4Cの評価のものを選ぶことが大切です。0.1~0.3カラットの小さなダイヤモンドは資産運用には向きません。1カラット以上の高評価を得られた鑑定書付きのダイヤモンドが適しています。
また、希少性の高いダイヤモンドを選ぶことも大切です。ピンクダイヤモンドや、ブルーダイヤモンドなどめったに市場に出回らないようなダイヤモンドであれば、時代が変わっても価値を保ち続ける資産として残せます。
物品以外のダイヤモンドの資産運用
現在ダイヤモンド単体としての資産運用は、物品として手元に置いておく以外には方法がありません。
物品以外でのダイヤモンドの資産運用は少し間接的にはなりますが、ダイヤモンドを取り扱う会社に投資することです。例えば、ダイヤモンドの採鉱・流通・加工・卸売会社のデ・ビアス社の株に投資すると、ダイヤモンドに投資しているともいえるのではないでしょうか。
数種類の資産運用の一つにダイヤモンドを加える
資産運用をするにあたってひとつに絞ることは、大変リスクがあります。債券や日本円、金・プラチナなどの貴金属、などバラバラに投資するのが良いとされるのです。その中の一つに、ダイヤモンドを加えてみてはいかがでしょうか?
現状ダイヤモンドは〇カラットで〇円と決まった市場価格はありませんが、その分価格変動が流動的ではなく安定しているとも言えます。どこでもというわけにはいきませんが、確かな評価をしてくれる宝石買取店舗も存在しますので、もしもの時のための危機管理用資産としてダイヤモンドを選んでみてはいかがでしょうか?