ダイヤモンドジュエリーを購入する時に、まず気になるのは価格です。では、その価格は一体どの様な基準で決められるのでしょうか。ダイヤモンドは大きい方が良いし、傷も少ない方が綺麗です。色は限りなく透明に近くて、上手にカットされていれば文句なし!そうなのです。この4つの条件が揃っていればいるほどダイヤモンドの価値が上がり、価格も上昇するのです。こちらでは、ダイヤモンドの評価について詳しくお伝えします。
ダイヤモンドを評価してもらうには?
ダイヤモンドを評価してもらいたいけれど、どこで見てもらえば良いのでしょうか?鑑定機関から認定を受けた宝石鑑定士のいる宝石店などに見てもらいう事も可能です。
とはいってもダイヤモンドジュエリーは高価なもの。確実に評価された結果を確認したいものです。そのためには、宝石鑑定機関で鑑定してもらうのが一番です。鑑定機関では、最新の機器と技術を使用してプロの宝石鑑定士が数人で鑑定を行い、最終評価を下します。
評価の際の基準となるのが、4Cです。4Cとは、カット(cut)、カラット(carat)、カラー(color)、クラリティ(clarity)の頭文字Cを取ったもの。これらの基準をそれぞれ評価し、その総合点によってダイヤモンドの価値と価格が決定されるのです。ダイヤモンドについて詳しく分析された結果が細かく記載された鑑定書は、そのダイヤモンドが本物である証明であり、どの様な特徴があるのかが記されたいわゆるダイヤモンドのプロフィールです。ジュエリーのリフォーム、保険の証明や将来の売却の際に必要となることもあるので、大切に保管しておきましょう。
鑑定してもらえる機関はどこ?
ダイヤモンドジュエリーを購入する際には鑑定書がついてくるのが一般的ですが、そうでない場合もあります。鑑定書が付属している場合は、どの機関で鑑定されたかが明瞭に示してあります。
鑑定書が無い、紛失したなどといった理由でこれから鑑定に出したい場合には、最寄りの宝石店に相談してみましょう。店舗によっては鑑定機関に送ってくれる場合があります。または、直接ご自分で鑑定機関に連絡して鑑定してもらうといった事も可能です。
- GIA/Gemological Institute of America (米国宝石学会)
- 中央宝石研究所(CGL)
- AGTジェムラボラトリー(AGT)
1931年に設立、ダイヤモンドの評価基準4Cを最初に考案した、アメリカにある宝石鑑定機関です。世界10か国で宝石学の教育を行っている最も権威ある機関です。世界中の有名なダイヤモンドの鑑定を行ってきています。世界で最も信頼があり、国際的に知られている権威ある鑑定機関です。GIAで鑑定されたダイヤモンドのガードルにはGIAの番号がレーザーで刻印されます。
昭和45年に設立、日本国内で最も古く信頼度の高い機関です。1992年からはダイヤモンドの街アントワープにあるHRD(ダイヤモンド・ハイカウンシル)と提携、’11年にはタイ宝石研究所と提携するなど、世界的なネットワークを持っています。国内での鑑定書発行数はトップであり、信頼と実績が証明されています。H&C(ハート&キューピット)のレポートを世界で初めて発行したり、最新技術・機器を先駆けて取り入れている機関です。国内での支店は東京、甲府、名古屋、大阪、博多の5店からなります。
1971年に米国GIAの日本国内代行機構として設立されました。GIA のグレーディング基準による宝石学の教育を受けることができます。特に色合いの評価の難しいカラーダイヤモンドの鑑定においての評判が良い事で知られています。ダイヤモンドのガードルにAGTロゴと鑑定番号をレーザー刻印するサービスも行っています。
4Cについて知っておきましょう
ダイヤモンドを評価する基準となるのは4Cです。GIAによって基準が設けられ、世界中で認められているグレーディング法です。
ダイヤモンド評価の読み方について学んでおけば、ダイヤモンドジュエリーをもっと楽しく選ぶことができます。
- カラット
- クラリティ
- カラー
- カット
カラットとは、重さを表したものです。1カラットは約0.2gほどで、ラウンド・ブリリアントカットのものなら直径6.5ミリほどのものです。鉱山から時間と労力をかけて採掘された原石は、カットや研磨をされるプロセスでかなり小さくなります。ダイヤモンドは希少価値が高く、カラットが大きいほどその価値も上がります。
クラリティとは、透明度を表すものです。肉眼では傷や内包物が中々見られませんが、ルーペや顕微鏡で見ると小さな内包物があったり、外側に欠けている部分や傷があるのが見つかります。内包物の大きさや場所、欠けている部分や傷の場所や大きさによってクラリティの評価が決まります。傷や内包物が全くない最高級のフローレス(F)からVVSI,VSI,SI~ Iまで評価されます。Iの評価になると肉眼でも内包物が見えるほどです。Fの評価がされたものは大変希少価値があり、市場に出回ることはほとんどありません。
色を判別する評価基準です。ダイヤモンドは無色ですが、わずかな黄色を帯びていることが多くあります。カラーグレーディングでは、アルファベットのDからZまでで色の評価を行います。黄色味の全くない無色をDとし、Zに近づくほど黄色味が濃くなります。無色に近い程価値が高くなります。婚約指輪などではD,E,Fのものを選ぶのが一般的です。Zを超える濃い黄色や茶色になるものは、ファンシーカラーと呼ばれ、それぞれ単独で評価されます。
ダイヤモンド職人によって施されたカット技術の評価です。ダイヤモンドそのものが持つ自然の美しさを表すのが、カラット、クラリティ、カラーの3つですが、カットだけは職人の手によって与えられたもの。原石では見られた内包物や傷などの欠点が、カットによってカバーされたり、取り払われたり出来るのです。一流職人による技の見せ所とも言えるでしょう。カットの評価はプロポーションと研磨の2つの基準から成ります。研磨が丁寧に施されており、さらにカットが優れていると、ダイヤモンドが外部からの光をより多く取り入れ、内部から美しく反射します。カット技術の高さによって、ダイヤモンドのもつ自然の美しさがどれ位引き出されるかが試されることになるのです。
どのCを優先させるべき?
ダイヤモンドは、ひとつひとつ個性があります。例えば値段が同じ位で迷った時など、四つのCの評価からどのランクを優先するべきなのか、選択に困ることがあるかもしれません。この場合、カラットについては最後に回しておいても大丈夫です。一番最初に考慮に入れたいのは、カットの評価です。ダイヤモンドの品質が良くても、カット技術が悪いと自然の美しさを損ねてしまいます。優れたカットのダイヤモンドだと輝きも強く、カラット数以上の大きさに見えることもあり得るのです。
鑑定所は評価のみをする機関
宝石鑑定機関は、持ち込まれたダイヤモンドや宝石を鑑定・鑑別し、評価した結果をレポートとして発行する機関です。評価によって宝石の値段を決めたり、売買する場所ではありません。発行された鑑定書などを元に、宝石やジュエリーを売る立場の人たちによって値段が決められるのです。
鑑定書には、肉眼やルーペで見ただけでは発見できない細かな詳細が記載されているので、価格を決める際の重要な手がかりとなります。中古品のジュエリーをオークションに出品したり、買い取り業者に引き取ってもらう場合にも、本物であることを確実に証明できます。
ダイヤモンドジュエリーを購入される際には、どの様な個性があるのか鑑定書でじっくり見極め、ご自分の納得のいく価格のものを選ぶようにしましょう。