ダイヤモンドの美しさを評価する上で、専門の鑑定士が鑑定し、鑑定書というものをつけます。
その評価をする為に4Cと呼ばれる評価基準があります。
米国宝石学会が制定したもので、ダイヤモンドを評価する国際基準として定着しています。
4Cとは…
カラット Carat
カラー Color
クラリティ Clarity
カット Cut
上記の頭文字を取って4Cと言います。
今回はこの4Cについて詳しくお話ししたいと思います。
カラット Carat
カラットはダイヤモンドの大きさを判断する単位と間違われますが、実は大きさではなく重さを表します。
1カラット=0,2gです。
海外では比較的大きめのダイヤモンドを重視する傾向にあり、他のグレードよりもカラットのグレードが重要視されます。
カラー Color
ダイヤモンドの透明度を表す、カラー。
マスターストーンと呼ばれる基準石を元にダイヤモンドの色を判別します。
無色に近いほど高評価で、逆に黄色がかっていると評価が下がります。
D・E・Fは無色透明
G・H・I・Jはほぼ無色
K・L・Mはわずかな黄色
N-Rは非常に薄い黄色
S-Zは薄い黄色
とされています。
先ほど無色であるほど評価が高いとお話ししましたが、このグレードを超えた色でピンクやブルーのダイヤモンドがあります。
これに関してはかなりの希少性があり、無色透明のダイヤモンドよりも高額で取引されています。
カラーダイヤモンドの場合のグレードは接頭辞と色相で評価されます。
接頭辞は9種類に分かれ、上に行くほど高額で取引されています。
ファンシービビッド ( Fancy Vivid )
ファンシーインテンス ( Fancy Intense )
ファンシーディープ ( Fancy Deep )
ファンシーダーク ( Fancy Dark )
ファンシー ( Fancy )
ファンシーライト ( Fancy Light )
ライト ( Light )
ベリーライト ( Very Light )
フェイント ( Faint )
色相とはパープル・レッド・ピンク・オレンジ・グリーン・ブルー・バイオレット・イエロー・ブラウン・ホワイト・グレー・ブラックなどがあります。
色相ではブルーとピンクが圧倒的に希少で高額です。
それに続いてピンクが濃くなったレッド(厳密にいうとレッドダイヤモンドはなくピンクが濃くレッドと評価される特殊なカラー)
パンプキンダイヤモンドと呼ばれるオレンジダイヤモンドも鮮やかな色合いのものは大変貴重です。
イエローやブラウンは目にすることも多いカラーダイヤモンドですが、鮮やかなものは希少で人気があります。
クラリティ Clarity
透明度を表すクラリティ。
傷やインクルージョン(内包物)の数や位置によって判定されます。
日本ではこのクラリティを重視して選ばれることが多く、クラリティ>カット>カラー>サイズで検討する傾向にあります。
6クラリティは種類のグレードに分かれて評価されます。
フローレス(FL)
インターナリーフローレス(IF)
ベリーベリースライトリー(VVS-1、VVS-2)
ベリースライトリー(VS-1、VS-2)
スライトリーインクルーテッド(SI-1、SI-2)
インパーフェクション(I-1、I-2、I-3)
上位ほど評価が高く、グレードが低くなるほど曇り、輝きが薄れていきます。
一般的には上位のフローレス(FL)、インターナリーフローレス(IF)は市場に出回ることが極端に少なく、店舗ではベリーベリースライトリー(VVS-1、VVS-2)が最上だと説明されることが多いです。
エンゲージリングなどではベリースライトリー(VS-1)以上の物をお勧めされることが多いです。
グレード別に状態を説明すると
フローレス(FL):ルーペなどで10倍に拡大しても内部も外部も内包物が見当たらない。
インターナリーフローレス(IF):内部には10場合に拡大しても内包物は見当たらないが外部にはごくわずかな傷が見られる。
ベリーベリースライトリー(VVS-1、VVS-2):10倍の拡大では内包物がなかなか見つけられない。
ベリースライトリー(VS-1、VS-2):10倍の拡大では内包物を見つけるのが難しい。
スライトリーインクルーテッド(SI-1、SI-2):内包物の発見が肉眼では難しいが、10倍の拡大ルーペなら比較的簡単に見つかる。
インパーフェクション(I-1、I-2、I-3):内包物が肉眼でも簡単に見つかる。
カット Cut
唯一人の手が入った技術が評価されるグレード。
カットとは、全体的な形のバランスと研磨の仕上げの美しさの評価でラウンドブリリアントカットの場合にのみ評価がされます。
プロポーション(形)とフィニッシュ(仕上げ)が評価の対象となり、総合評価は5種類のグレードに分けられます。
プロポーション(カットの総合評価):プロポーションは各部分とファセットのサイズと角度の関係となります。
テーブルサイズ、クラウン角度、ガードルの厚さ、パビリオン深さのパーセンテージ、キューレットサイズ、シンメトリーを調べます。
フィニッシュ:デザインの実現、カッティング細部の正確度、および研磨の質を見ます。
総合評価の5種類のグレードは下記の通りです。
EXCELLENT(EX)
VERY GOOD(VG)
GOOD(G)
FAIR(F)
POOR(P)
上に行くほど高評価でブランドによってはEXCELLENT(EX)以外は扱わないところもあります。
カットによっては、カラーが鮮やかのーに見えたりインクルージョンが目立たなくなったりする為、各ダイヤモンドに合うカットを施すのが腕の良いカッターとされます。
最近ではこの5段階の評価の他に2種類のグレードが加わりました。
トリプルエクセレント 3EXCELLENT(3EX)とハート&キューピッド(H&C)です。
プロポーションと目視要素の評価でカットのグレードは決まりますが、それと共に仕上げの項目にポリッシュ(研磨状態)とシンメトリー(対称性)があります。
トリプルエクセレント 3EXCELLENT(3EX)はその3つが全てエクセレント評価である、非常に正確なカットが施された高技術のダイヤモンドです。
トリプルエクセレントであってもハートアンドキューピッドが出ないものもあります。
これは数値的には3EXCELLENT(トリプルエクセレント)の基準を達しているものの、拡大して見た場合、部分的に正確でない角度があるからです。
確実に正確性の高いカットが施されたダイヤモンドをご希望の場合は、3EXCELLENT(トリプルエクセレント)H&C(ハートアンドキューピット)だと安心です。
国内相場では、3EXCELLENT H&C >EXCELLENT H&C > 3EXCELLENTの順で取引されています。
ハートアンドキューピッド(H&C)は綺麗に正確な8つの矢(アロー)とハートがくっきりと表れるダイヤモンドをハートアンドキューピットとし、鑑定書にサブレポートが付属します。
この矢とハートの位置にはそれぞれ基準が設けられており、エクセレントのダイヤモンドで同じように見えても模様が薄かったり、少しのズレが生じていたりして認定されないものもあります。
特に国内鑑定機関の認定するH&Cはとても厳しく、海外の認定機関でハートアンドキューピットと認定されても、国内鑑定機関では薄いなどの理由で認定されないものも多々あります。
また正式なハートアンドキューピットは1つのルースが0,1ct以下のものには交付されません。
いかがでしたでしょうか?
4Cが厳密に設定されているからこそ、私たちは一定の基準に沿った素晴らしいダイヤモンドを手にすることができます。
素敵なダイヤモンドとの出会いのお手伝いができれば嬉しいです。